これまで、頑なに外資系企業による過半数以上の株の取得を認めていなかったJリーグだが、この規約が遂に緩和されるようだ。
外資系企業が日本法人を設立し、その企業が運営に当たるのであれば規約違反にはならない、という解釈であるようだ。
Jリーグは国外では東南アジアや極東アジア地域で高い人気を誇っており、今まで日本国内での資金のみでの運営でやってきたJへの東南アジアマネーの注入を目指していくようだ。
J2の札幌はそういう意味ではいち早く東南アジアエリアの開拓に乗り出しており、ベトナムの英雄、レ・コン・ビンを加入させたりしており、それによる東南アジアでのスポンサー獲得など、多くの利益を生み出している。
現状、Jリーグのチームの平均年間予算は約30億円といわれておる。
しかし、アジアチャンピオンズリーグではオーナーの潤沢な資金をチームに投入してくる広州恒大に代表される中国スーパーリーグのメガクラブや韓国Kリーグに資金力の差から着実に差を広げられ、サラリーキャップ制を敷くオーストラリアのAリーグにも敗北を喫するなど、Jリーグ自体の骨子である『世界に通用する選手を育成する』という目標から徐々に外れつつあるように感じる。
確かにアジアチャンピオンズリーグ自体の持つ旨味は、リーグ優勝に比べるとその労力に対して少ないように感じるかもしれないが、優勝で得られるのは金額だけでは得られないものがある。
アジア全域にチームの名が広まり、その人気を高めることが出来れば、最終的に得られる金額は優勝金額の数倍から数十倍にも達する可能性があるのだ。
今、日本はただでさえ娯楽に満ち溢れた国なのだ。
ならば、スタジアムに足を運びたいと思わせるほどの魅力を作り上げねばならない。
それを実現させるために資金力が必要なのならば、万難を排してでも実現させねばならないだろう。
海外へのプレゼンも含め、Jリーグの魅力を海外に発信していく必要があるだろう。
果たしてこれがどのような化学反応を起こすのか。
日本経済はようやくリーマンショック直前の状態に戻ったばかりで、各企業にまだ他へ余力を振り分ける体力はないと考えたほうがいいだけに、外資系企業の参入を成功させねば、停滞は当分続くだろうと予想できる。
ならば、Jリーグ事務局を含めたサッカー界全体で推し進めていかねばならないだろう。
絵に描いた餅にだけはして欲しくないものだ。