他方、このトータル・フットボールを守備的なアプローチで防ごうとしたのがアリゴ・サッキ監督が率いたACミランだ。
1989,1990年とUEFAチャンピオンズカップ(現・チャンピオンズリーグ)を連覇した通称“グランデ・ミラン“は、相手の流動的な動きやボールの動かし方に惑わされず、極論すれば「人やボールではなくスペースをマークする」というそれまでの人をマークするマンマークから、スペースをマークするゾーン守備を本格的に取り入れた。
また、トータル・フットボールは攻撃から構成しているために、それに伴ったプレースタイルを持つ選手がいないと取り入れいくいが、ゾーンプレスは戦力的観点は不当で、どんな国のチームでも取り込み可能。1990年代はゾーンプレスが全世界を支配していた。
そして、ゾーンプレスの流れは世紀を跨いで続いたが、その時、地中は動いた。いや、攻撃型の新たなトレンドを放つチームが現れた。
その辺りは<後編>でご紹介します。
(続く)