Foot ball Drunker〔158〕visiting 『Estadio Vicente Calderón』 マドリッド / スペイン

日本男児 古代ガリアの都に散る

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先ずはパリ五輪男子サッカ-種目·日本代表チームの健闘をねぎらい拍手を贈りたい。メダルを争う準決勝は欧州VSアフリカ。何れもレベルは高いが開催国フランスをも上回るポテンシャルのスペインが本命か。

書店に足を運ぶ機会が激減している昨今ではあるがネットで興味を唆られる書籍を発見。石灘早紀:Saki Ishinada【1990年生】氏の『運び屋として生きる』は白水社より本年発刊。著者はスペイン保護領モロッコ·セウタの研究者。モロッコの旧宗主国はフランスでも現在スペインなのかモロッコなのかよくわからない飛び地が存在する。


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UEFA欧州選手権:EURO2024についてJR列車内で、サッカ-好きの若者たちと乗り合わせる。会話に耳を傾けると「12年ぶりの欧州メジャ-タイトル制覇でしょ?」。彼らからすれば2012年は大昔。ちなみに昨年のUEFAネ-ションズリ-グ優勝は、メジャ-ではないらしい。この認識の違いはジェネレ-ションギャップではない。寧ろオヤジほど同大会を軽視しているかもしれない。

EUROから引き続き所属クラブから離れた二人のクォリティは言うまでもないとして、昨季アトレティコでアンカ-として新境地を開いたスペイン五輪代表パブロ·バリオス:Pablo Barrios 【2003年6月15日生】の仕事には目を見張る。それにしても歴代の日本五輪代表が対戦した顔ぶれと比較しても屈指の豪華なタレントが揃った中盤には感服するしかない。


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一方スペインと対戦するモロッコはカタ-ルFIFAワ-ルド杯での躍進が記憶に新しい。カサブランカからマルセイユ国境までは二千キロ。フェリ-で海峡を渡れば車で行けなくもないか。パリ·サンジェルマン所属のアクラフ·ハキミ:Achraf Hakimi【1998年11月4日生】の存在もあって、南仏が両国サポ-タ-の熱狂に包まれるのは間違いない。


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カタ-ルではベスト16で対戦している両国。互いに譲らずスコアレスからPK戦まで縺れてまさかのラ·ロハ敗退。グル-プリ-グで出番なくこの試合が大会初出場のマルコス·ジョレンテ:Marcos Llorente【1995年1月30日生】は120分間快速をとばしての奮闘。レアルでプロデビューしたセントラルミッドフィルダ-は今やアトレティコに欠かせない存在。2027年6月末までの契約書に署名をしている。ウィナ-で英雄となったのは守護神ヤシン·ブヌ:Yassine Bounou【1991年4月5日生】。カナダ·モントリオールの出身。2012年にカサブランカからマドリードへと移るのだが袖を通したのは赤白の縦縞。当時同胞ハキミは白いユニフォ-ムで同じ街に。


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第158話はアトレティコ·マドリーが2016年まで本拠地として使用したビセンテ·カルデロン。UEFAチャンピオンズリーグ/FCポルト戦は、’09年2月24日の開催だから15年前に撮影した写真。スタンド上部には2006年から14年までの間スポンサーだった京セラのロゴ。背番号の下にKYOCERAの七文字が記されていた。


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