出場チームの中で、Jリーグの下部組織のチームは半数近くに上る20チームある。
街クラブで、名がよく知られているのは、東京の三菱養和やバティサッカークラブ、埼玉のレジスタFCといったところだろうか。結果から先に言うと、26日の決勝では、柏レイソルu-12が川崎フロンターレをpk戦の末破り、優勝を決めた。
3位には、埼玉県のレジスタFC、東京のバティサッカークラブが入った。ベスト8にはこの他に、東京の東京ヴェルディジュニア、埼玉の大宮アルディージャジュニア、広島のサンフレッチェ広島FCジュニア、同じく広島の福山ローザス・セレソンが入った。
この大会の取材をして感じたのはJリーグの下部組織のチームと街クラブや小年団との間にある、レベルの「差」である。
ベスト8に残った中でJリーグの下部組織のチームは5チームある。
合計で約200試合行われたこの大会で、Jリーグの下部組織のチームが街クラブや少年団のチームに敗れたのは20試合に満たない。
この結果を見ても、Jリーグの下部組織との差があることは明らかである。
具体的に何が違うのか?
まずは、なんといっても技術だろう。
パススピードや正確性、トラップの技術などを見ていてもやはり差がある。
そして、戦術理解やサッカーの理解度、完成度も街のクラブや少年団とは大きな違いがある。
Jリーグの下部組織のチームは、無理に前に攻めずにダメだったら、後ろに下げて、やり直し、攻撃を組み立てる点などを見てもサッカーにちゃんとなっていると言える。
最小限のリスクで攻撃を仕掛け、点を取る。
これができるチームが多い。
もちろん、20チームあるJリーグの下部組織のチームの全てのチームがそうではない。
ただ、街クラブや少年団でそれができるチームがごくごく一部だろう。
Jリーグの下部組織のチームでも、ピッチの中央で細かいパスを少ないタッチで繋ぐことのできるヴァンフォーレ甲府ジュニアのようなサッカーをするチームもあれば、横浜Fマリノスプライマリーのようにサイドも上手く使いながら攻めるチームもある。
Jクラブでもサッカーのスタイルは様々だが、1つ1つのプレーの質やサッカーへの理解度、完成度では、明らかに街のクラブや少年団と差があった。
Jリーグの下部組織のチームと街のクラブや少年団のチームとの間にある差は当然といえば当然なのかもしれない。
Jリーグのジュニアチームに入団するには、セレクションに合格するか、スカウトされるかの2つの方法があるが、どちらも数百人以上の中から選ばれた
選手だけになる。
当然上手い選手や将来性の高い選手をセレクションやスカウトで選んでいくため、レベルが高くなるのは当然のことだ。
では、中学年代や高校年代の上のカテゴリでは、Jリーグの下部組織と街クラブのチームの差はあるのか?というと、高校生のユースくらいになると、私立の高校は特待生を取ることができる上に、人工芝のグランドや寮のある学校も数多くある。
さらには、Jリーグのジュニアユース(中学生年代)からユースに上がれなかった選手やユースに実力的にはいける選手でも高校サッカーに憧れてユースを蹴って高校サッカーの道に進む選手もいる。