1〗Dender Football Complex / デンデルレーウ

ご挨拶

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年が明けて2025年、このサッカルチャーに寄稿して節目の十年迎えた。自身も昨秋に還暦を迎えたから人生の締めくくりを真剣に考える気がしなくもない。新たに書きたいことは山ほどあるのだが、この十年間の粗雑で稚拙な文章をもう一度ブラッシュアップして仕切り直しもする。
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あらためて振り返ると、旅行代理店、商社、自営業の傍ら多様なNGO活動にも積極的に参加し、サッカー以前は本業で美術雑誌に連載などもしていた。欧州を訪問した都市は最早数える気もしないが、駅を通過しただけはカウントせずに街中を散策した市町村の数とするならば、優に三百を超えているだろう。
欧州でフットボールの試合を観戦するようになったのは’08年からなので二十年にも満たないが、スタジアムを見掛れば九割以上の確率でフレームに収めてきているので、最も欧州の競技場/蹴球場も見てきた日本人ではないかと思い込んでいる。


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毎回スタジアムと開催された試合を決めたら自身が撮影した膨大なストック写真の中から八枚を選びテキストを構成するフォトエッセイ。題名は『追懐·あの日あの時あのスタディオン』。純粋な観戦レポートではないので、ネットや新聞で情報を得た試合に多くのスポットを当ててることにする。イベリア半島ではエスタディオ、フランスではスタッド、ドイツならばシュタディオンと発音するが、古代ギリシアの尺度の単位を語源とするスタディオン =στάδιονを採用するとしよう。代表的な国はオランダ、ベルギー、デンマーク、クロアチア、チェコあたりか。
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第一話はベルギーのオースト=フランデレン州デンデルレーウにあるデンデル·フットボール·コンプレックス。1997年に完成した当時はクラブ創設者の名前を冠していたスタディオン。
今でこそ日本人が増えDAZNでライブ中継を視聴できるベルギー·ジュピラー·プロリーグ。「ベルギーはオランダやポルトガルよりも格下で興味の薄いリーグ」との認識をあらため、レベルが上がると予感したのは2012-13シーズン。雑誌の表紙には、前年まで26番を背負っていたデニス·プラート:Dennis Praet【1994年5月14日生】がエースナンバー10を託され誌面の表紙にも。マッシモ·ブルーノ:Massimo Bruno 、【1993年9月17日】も45番から17番と軽くなっており、多民族リーグの中にもキラリと光る若手がアンデルレヒトで台頭してきたのがこの頃。

デンデルレーウは何処にあるのか

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二部の結果にまで目を配りいっぱしのベルギー通のつもりでいたが、一昨年ガンバ大阪の日本代表·谷 晃生:Kosei Tani 【2000年11月22日】の移籍報道で初めて知ったのがFCVデンデルEHの存在。なんとブリュッセル近郊に自分の知らないクラブがあるとは。ちなみに2012年はダルデ·クラッセ(三部)に降格していたのがこのクラブ。