【2018プレナスなでしこリーグ2部・第11節】
開催日:2018年9月9日(日曜)11:00 KICK OFF
会 場: 京都府立山城総合運動公園陸上競技場(太陽が丘/京都府)
観客動員:233人
バニーズ京都 3-1 スフィーダ世田谷FC
【得点者】<バニーズ京都>佐藤(72、85分)、加戸(90+5分)
<スフィーダ世田谷>須田(50分)
≪公式記録PDF(なでしこリーグ公式HPより)≫
これは負け試合ではない。勝った試合直後の写真だ。ただ、優勝を決めたわけでもなければ、昇格や残留を決めた試合でもない。
左腕にキャプテンマークをつけて両手で顔を覆っているのは、バニーズ京都SCのDF酒井望。普段は誰よりも明るく振る舞う彼女はこの日、大阪体育大学の後輩であり、前所属のASハリマアルビオン時代からホットラインを築くFW佐藤莉奈の同点&逆点ゴール、岡山湯郷Belle時代の盟友・加戸由佳による追加得点時には、得点者以上の大きなガッツポーズを見せていた。
そんな彼女が今季開幕戦以来の勝利で、ホーム戦では初勝利を掴んだ瞬間に思わず泣き崩れた。
無理もない。「左利きの左サイドバック」として不動の存在だった彼女は、リーグ戦再開初戦だった前節はおろか、リーグ中断前最後の5月26日以来、カップ戦を含めて3カ月以上に渡って先発メンバーから外れていた。
チームのコンセプトとして掲げるポゼッションサッカーが機能せず、自陣からのビルドアップに執着するチームの中で、彼女は得意のロングキックで状況の打開を試みるも、それが必ずしもチームにとって効果的に作用しなかった。
それでも彼女はキャプテンマークを巻いて先発に復帰。そして、先制されて苦境に陥りながら、途中出場の盟友2人による3ゴールで逆転勝利。佐藤も自身と同じように先発から外れる試合が増え、加戸は今年7月に2年間の長期離脱から公式戦に復帰したばかり。酒井望は自分だけでなく、佐藤や加戸の苦しさも抱えながらプレーしていたのだろう。
バニーズが手にしたホーム初勝利の意味は大きい!
開幕戦以来9戦未勝利のバニーズ京都SC
『プレナスなでしこリーグ2部』は、全10チームによる2回戦総当たりの後半戦に突入。伊賀フットボールクラブくノ一が2位以下を大きく引き離して首位を独走し、1年での1部復帰を2部優勝で飾るのも時間の問題となっている。
しかし、2位以下は勝点2~3ポイント差の間に10チーム中の7チームがひしめく大混戦が続いている。1部への自動昇格は優勝チームのみだが、2部2位にも1部9位チームとの入替戦出場権が与えられる。近年は長野パルセイロレディースやノジマステラ神奈川相模原のように、悲願の1部初昇格後も旋風を巻き起こすチームも多い。大混戦のなでしこ2部の2位争いは、大きな注目を集めている。(第12節終了後に2位から8位の勝点差は5に。)