来年の6月で任期満了となるものの、一向に契約延長の噂が聞こえてこないバイエルン・ミュンヘンのペップ・グァルディオラ監督。
自身は既にプレミアのクラブやカタール代表監督へその興味を移しているとも言われており、チームはもしものときに備え、後任を任せるに足る候補者のリストアップをしているようだ。
その候補者として名前が挙がっている人物は二名。
現ボルシア・メンヘングラッドバッハ監督のスイス人指揮官、リュシアン・ファーヴル氏と、元マインツ05指揮官であったトーマス・トゥヘル氏である。
まず、リュシアン・ファーヴル氏とはどのような人物なのか?
現在57歳のリュシアン・ファーヴル氏は、2011/12シーズンからボルシア・メンヘングラッドバッハの指揮を執り、バイエルンに何度も煮え湯を飲ませている名将である。
現役時はエレガントで知的なプレイで中盤で試合を組み立てるゲームメイカーとして活躍した同氏だが、指揮官としては実利的で効果的な戦術で相手を倒す老練な戦術を駆使する方向へと進んでいる。
堅守速攻を旨とする、シンプルだが効果的な戦術を得意とする同氏だが、その根底に流れているのはヨハン・クライフの戦術であろうと思われる。
相手より多い中盤と、フィールドを左右に大きく開くための二人のウイング。
そして彼らが作ったスペースを残りの選手が利用し、相手にダメージを与える。
これを極限まで研ぎ澄まし、洗練させたものがファーヴル氏のサッカーである。
グァルディオラ氏の前任であったハインケス氏が三冠を成し遂げた際のサッカーに近いものであり、グァルディオラ監督がティキ・タカを注入した後に後任とするには良い人選ではないかと思われる。
自身も以前、ハインケス氏の公認候補の一人として名前が挙がっており、バイエルンで指揮することを望んでいるという噂もあっただ。
ネックになりそうなのは同氏のメンヘングラッドバッハとの契約が2017年までであり、獲得には違約金が必要になる点であろう。
しかし、バイエルンにとってはさほど大きな問題にはならないであろうことを考えると、実現の可能性は高そうだ。