イタリア・セリエA、ACミラン所属のイタリア代表FW、マリオ・バロテッリはミランからの移籍を断言、向かう先はおそらくリバプールであるとの報道がなされたのは記憶に新しいところだ。昨シーズンまでのエースだったスアレスはバルセロナに去り、フランス・リーガアンのASモナコ所属のファルカオなどを後任として迎え入れる、などといった噂が飛び交っていた中で飛び出した今回の移籍報道であった。
ただ、この移籍は非常に危険な毒をはらんでいると思っている。スアレスの穴を埋めることは彼の持つ能力を持ってすれば問題なくいけるはずだ。ここに疑問の余地は無い。得点力の高さ、閃きを生かした予測のできないプレイ、弾丸のようなミドルを放つその脚力は勝るとも劣ることは無い。
しかし、昨シーズンのスアレスの働きを彼に求めるのは、間違いではないかと思うのだ。スアレスは万能型のフォワードである。いざとなれば単独で状況を打開できるだけのアジリティをも持ち合わせていた。前線での溜めも作ることができた。だが、残念ながらバロテッリに関してはこの二点においてはスアレスの後塵を拝していると言わざるを得ない。特に大きいのは運動量の少なさである。特に、ブレンダン・ロジャース監督の戦術では運動量も要求されるだけに、リバプールで彼が一皮剥けることができるかどうかが、今シーズンのリバプールを左右することとなりそうだ。
昨シーズン活躍した2Sは好調を維持しているが、彼らだけで長いシーズンを乗り切ることができるほど甘くは無い。バロテッリを含めた新戦力はどこまでチームに馴染むことができるか?イングランドのサッカーは知っているだけに、後はどこまでロジャーズの戦術を理解することができるのか?
バロテッリの新しい挑戦が始まる。