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【東アジア杯の収穫】「リオ五輪は憧れから目標になった」新型MF杉田亜未の魅力

【なでしこJAPAN】カナダW杯準優勝を経ての東アジア杯

 8月初頭から中国の武漢で行われた東アジア杯。開催国・中国の他に、韓国、北朝鮮と対戦した男女の日本代表は共に1試合を残した2試合目終了の時点で優勝の可能性が消滅。男子に至っては同大会7回目で初の最下位&初の未勝利に終わる惨敗。女子も7月上旬まで行われていたカナダW杯で準優勝を果たしていながら、東アジア杯では1勝2敗の3位に終わりました。

 それでもカナダW杯の主力選手を全員外して挑んだ“チャレンジなでしこ”は試合を経るごとに課題と収穫を積み重ね、最終戦で男女唯一の勝利を挙げました。「現実的になる必要がある」とヴァイッド・ハリルホジッチ監督が守備的なゲームプランを用いて戦った試合もあった男子代表とは違い、試合内容的にも終始ボールを保持して主導権を握る“なでしこ流”のパスサッカーを体現できており、若い選手個々の台頭も発見する事ができた貴重な大会となったと言えます。今後の“真”のなでしこJAPANに入って主力に定着し、「あの大会が転機になりました」と振り返るような言葉をインタビューで話す選手も出て来ることでしょう。

 この東アジア杯で活躍した選手として名前が挙げられるのは、19歳ながら2試合に出場し、勝利した中国戦ではクリーンシート(完封)も記録したGK山下杏也加、トライ&エラーを繰り返しながらも日本選手としては稀有な「CBとしての強さ」を見せたDF村松智子、本職はFWや左サイドMFなどのアタッカーでありながら3試合連続で右SBとして先発起用された京川舞、スーパーサブとして中国戦の決勝点を挙げたFW横山久美。世代交代が延々と進まないなでしこJAPANにとって、彼女たちのような19歳~23歳の若手が台頭したのは大きな収穫。また、27歳のFW有町紗央里が京川と共にチームで2人だけ全3戦に先発起用されて鋭い動きを繰り返し見せ続けていたのも、カナダW杯で負傷したFW安藤梢の代役として見逃せない選手になるでしょう。

 現状のなでしこJAPANのベスト布陣は以下のようなイメージでしょうか?宮間をトップ下にした<4-2-3-1>で、調子の良い2列目の選手をもう1人起用するのがオプションとなる事でしょう。

東アジア杯で2得点の新型MF杉田亜未=(宮間あや+川澄奈穂美)/2

 その中でも筆者が大会前から推し続けていたMF杉田亜未が2得点を挙げて猛アピール。ゴール以上に、サイドMFとボランチの両方をこなした柔軟性や、FKやミドルシュートというキック精度の高さ、運動量豊富にボールに多く絡みながらドリブルで打開していくチャンスメイク。フリックを使ったワンタッチでのパスワークにも絡めるなどプレースタイルが幅広く、今後のなでしこJAPANにとって重要な選手になりそうな気配を感じさせてくれました。

 言わば、正確なキック力やパサーとしての宮間あや、チャンスメイカーとしての川澄奈穂美という準優勝したカナダW杯で杉田と同じ2列目を定位置とした重鎮2人のプレースタイルをミックスしたような選手。なでしこJAPANにとっても、「新型」に相当するのが杉田亜未の魅力です。

 今年2月~3月にかけて行われたラ・マンガ国際大会では主将を務めていたり、宮間と川澄を足して2で割ったような愛嬌溢れるキャラクターでありながらのムードメイカーぶり。また、ルックス的にも人気が出そうな選手でもあります。

 そんな杉田が東アジア杯の初戦・北朝鮮戦で豪快な右足ミドルシュートをダイレクトで決めたゴラッソに見るミドルレンジからのシュート力と精度はなでしこJAPANが追い求めていたモノ。宮間以外のセットプレーのキッカーとしても期待が持てます。

 また、この杉田の活躍を受けて、所属する伊賀フットボールクラブくノ一の試合に観客が増える可能性も大きく、今後の杉田はピッチ内外で大きな影響力を見せるのではないでしょうか?