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Jリーグここを見よ!~武藤ら若武者VS古株・浦和の優勝争い~

A代表に限った話ではない。浦和は翌年に開催されるリオデジャネイロ五輪のU-22にも誰1人として選手を送り込んでいない。U-22の中心となるのは主将の川崎F大島僚太、FC東京の中島翔哉、新潟の鈴木武蔵といったJリーグメンバーで、A代表への登竜門となる世代に1人も選手を送り込めていないのはいかがなものか。
浦和にも小島秀仁、関根貴大、高木俊幸といった若手が所属しているが、関根以外はコンスタントに出場できていない。そもそもシステムが3-4-2-1と変則的なため、適正となるポジションが存在しない場合もある。代表のシステムともマッチしないため、純粋なサイドハーフやトップ下タイプの選手には不向きなチームといえる。
加えて浦和には過去に代表でプレーした経験を持つ選手が多数在籍しているため、若手がスタメンを勝ち取るのは至難の業だ。26~30歳という中堅からベテランといった中途半端な世代が揃う現在の浦和は、成長も無ければ衰えも無い難しいチーム情勢なのだ。

昨季の雪辱に燃える浦和としては、若手の登用よりも結果を重視した人選が増えてしまう。今季こそJ1を制する事は出来るかもしれないが、ペトロビッチの作った変則的なチームが将来に何を残すのかは疑問だ。
若手が活躍する場も少なく、ハリルホジッチが目指すサッカーの方向性ともズレている。代表入りを目指す若手にとって、浦和はただ注目されるだけの強豪クラブであり、ハリルホジッチにアピールしにくい環境となってしまっている。
J1を制したチームから代表選手が選ばれないのは不自然であり、仮に浦和が今季のJ1を制した際には1つの議題となるだろう。しかしハリルホジッチがザッケローニから三行半を突き付けられた選手を再び招集するとは考えにくい。

代表とJリーグがマッチしていくためにも、今の活況を逃す手は無い。宇佐美、武藤といったホープに期待が集まる今、彼らが浦和を蹴落としてJを制する必要があるのではないだろうか。それはプレーオフの一発勝負でも構わない。
代表選手がいるから強いという理論も変だが、代表の顔となる選手が古株揃いの浦和に負けるのはどこか腑に落ちない。サッカーは個人の力で結果が左右される競技ではないが、個人にばかり注目が集まる今の日本サッカー界では武藤ら個人が奮闘するしかない。

特殊なシステム、中堅~ベテラン揃いの安定感、どこか閉塞感のある浦和を若武者が倒せるかというポイントに注目するのも、今季のJリーグを楽しむ1つの要素になるかもしれない。柴崎や宇佐美にとってはいわゆる下剋上であり、代表での国内組の地位を確立するためにもJリーグ制覇は至上命題といえるのではないだろうか。