22〗Stade de la Tuilière / ローザンヌ


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電車代に頭を抱えても、酒代は渋ることができない根っからの性分。滞在中はフェルトシュロッセンの缶をなかなか手放せない。ドイツとライン川の国境に面したラインフェルデンで生産されるスイスの代表的なビールメーカー。売店では麦酒と新聞を買うのが滞在中の定番。伊ガゼッタと仏レキップが並んでいたから迷わず、両紙を購入しながら「ここはスイス(満足)」を実感した。以前は空港や市内でも他国の新聞を多少割高でも安易に購入できたが、最近は困難に。紙媒体離れは世界共通ということか。
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三年連続 ローザンヌを巣立った三俊傑

第22話はローザンヌ·スポルトの本拠地スタッド·ドゥ·ラ·トゥイリエール:Stade de la Tuilière。トップチームは兎も角、ユースの実績において近年スイス国内で右に出るクラブはない。ジョルダン·ロトンバ:Jordan Lotomba【1998年9月29日生】がローザンヌ·スポルト·ユースに加入したのは’13年。翌春には当時15歳にしてスイスU18エリートリーグに参戦。’16年のトップチーム·プロデビューまで一気に駆け登る。その一年後輩となるゼキリもスイスU18エリートリーグでは十五歳ながら九試合に出場し四得点を記録。セカンドチーム(四部)でも一歳年長のロトンバと同じピッチに立った試合も。更に一年後輩には同じくフォワードでニヨン出身のダン·エンドイェ:Dan Ndoye【2000年10月25日生】を輩出。U13カテゴリーからローザンヌ·スポルトで研鑽を磨き、’17年のスイスU17エリートリーグでは、十三試合で十五得点を決めているのだから同年代ではもはや手がつけられない得点感覚。
当時ゼキリとエンドイェのツートップが実現しなかったのは、前者が’16年からユベントスに一年間貸し出されてしまったから。UEFAユースリーグの試合をピッチサイドで撮影したのが最初の写真。'20年1月、フランス南部のOGCニースにエンドイェが移籍。シーズン終了後にはスイス国内を代表する強豪BBCヤングボーイズからロトンバが加わる。二人のリーグアン·デビュー戦は揃って’21年の開幕戦。一方ゼキリはブライトン&ホーヴ·アルビオンとの契約書にサイン。ローザンヌを再び去り、ラマンシュ海峡を越えて“フットボ-ルの母国”のイースト·サセックスへ。


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エンドイェと同年齢のゼキ·アムドゥニ:Zeki Amdouni【2000年12月4日生】は’19年から2シーズン在籍した二部のFCスタッド·ローザンヌ·ウシーで実績を重ねると、’21年FCローザンヌ·スポルトでの一部リ-グデビュ-を果たす。今季SLベンフィカに貸し出されており、UEFAチャンピオンリーグ=CLのアトレティコ·マドリード戦で自身大会初得点、ASモナコ戦でも初アシストを記録するなどで両試合での勝利に貢献した。今季ベスト16へと進出したポルトガルの古豪。バイエルン戦を除き全て途中出場ながら計十一試合を経験。欧州の最高峰レベルに身を置き充実したシーズンとなる。その中でも十月のフェイエノールト·ロッテルダム戦ではロトンバと、十二月のボロ-二ャ戦では後半ほほ同時にピッチに入ったエンドイェとも顔をあわせており同年代のスイス代表対決にはスイス国民ならずとも刮目する。


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あの日あの時は■2022年3月13日第26節FCローザンヌ·スポルト対BSCヤングボーイズ
観客は四千百五十人。ちなみに上のエンドイェの写真は、その前節にルガノで撮影しており、スイスス-パ-リ-グに些かのめり込んでいたかも知れない。試合はリ-グを代表する強豪相手にアディショナルタイムのPKでドロ-。この試合で先制点を決めたのがアムドゥニだった。
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またもや搭乗拒否 航空券はドブに捨てられたジュネーブの悲劇

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