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地方クラブが代表を強くする!〜ブームで終わらせないために〜

☆Jリーグから日本代表の骨を作っていこう!!

 日本ではまだまだJリーグの試合よりも代表戦の方が盛り上がるが、イングランドなどではプレミアリーグの方が盛り上がりを見せる事は少なくない。リーグ戦には古くから伝わる因縁のダービーマッチなどがあるため、地元のプライドをかけて戦う熱いゲームが多いのだ。
しかし世界の強豪とも呼ばれる代表チームの人気が上がらない事には、もっと単純な理由がある。それは強くないからである。イングランドやスペインのような強豪国の人々は、W杯で優勝できるレベルの力が無いと強いと判断してくれない。近年のイングランドやイタリアのようにW杯のグループステージも突破できないようでは、国民から応援してもらえないのだ。

 これは日本のスポーツ文化とは真逆の関係にある。日本ではガンバとセレッソの関係のように、クラブシーンでは強い方にファンが流れるパターンは多いが、代表は結果を残せなくてもチケットが売れる。国際舞台で結果を残せなかった場合でも、サポーターは代表から離れないのだ。
愛国心とは少し違うかもしれないが、弱くとも日本代表を応援しようという一致団結した感覚がある。スペインのような強豪国には見られない現象であり、同じW杯グループステージ敗退でもスペインには空港への出迎えは1人もいなかった。一方の日本の空港では「お疲れ」という労いの言葉があった。
こうした愛国心は日本代表にとって1つの武器であり、ホームでW杯予選を戦う際には大きなアドバンテージとなる。ただ、個人的には熱量をもう1ランク高い位置に上げたいと考えている。

 1ランク高い位置というのは、単なる代表人気という言葉で片付けられるものではなく、普段から地元のクラブを応援しているから代表も応援したい!という地元→日本代表への流れが欲しいと感じるのだ。地方クラブに活力がある今、日本のスポーツは今までとは違う新たな段階に来ている。
 それぞれの地方による独特の色が出来始め、文化が形成されつつある。日本代表には海外組も多数入っているが、Jリーグで得た地元の色をサポーターには持ち込んでいただきたい。それはいずれ日本サッカー界の文化となり、それが今後の全てのベースになっていくのだ。

 分かりにくいかもしれないが、世界にはそれぞれの文化がある。縦に速いダイレクトなフットボールを好むイングランド人は、後方でダラダラとパスを繋いでいるとブーイングを飛ばしてくる。一方でポゼッションを好むスペイン人は後方でのボール回しにも納得の表情を浮かべている。
 こうした文化はそれぞれの国内リーグで生まれており、国独自の戦い方となっていくのだ。それを見た子供たちは、どんなプレーに拍手を送り、逆にブーイングに値するプレーとはどういうものかを自然と理解していく。
つまりは将来の代表選手を育てるベースとなり、監督の交代などに大きく左右されない強い文化が出来上がるのだ。残念ながら今の日本にはまだまだ確固たる指針が無いため、監督によってコロコロとやる事が変わる。本当に強い代表を作るためにも、今の地方クラブに溢れる活気は歓迎されるべきだろう。

 自国のサッカー文化を作るのは代表では無い。国内リーグから文化が生まれ、その文化の集合体が代表であるべきなのだ。現在は海外組なども多く、監督も外国人が多い。そのため文化が混同し、日本代表といえばコレ!と言えるものが無い状態だ。
しかしW杯で優勝するチームのほとんどが同国籍の監督を使っている事からも分かるように、文化が代表の強さに直結するケースは珍しくない。いずれ日本代表にも胸を張れる文化が形成できるよう、地方ブームに沸く今を無駄にしてはならない。
皆さんもぜひ地元のチームを応援していただきたい。そこには地元ならではの愛やカラーがあり、文化の大切さに気付くだろう。自分たちが日本サッカーを強くするという自覚を持ち、スタジアムに足を運んでみるのも面白いのではないだろうか。