皆が憧れる悠久の都
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年が明けたのだからもう来年に迫ってしまった2026年FIFAワールドカップ。連日熱狂と興奮の’22年のカタール大会から早いもので既に三年の歳月が流れている。終了の翌々月に発生したトルコ大地震も記憶も生々しい。元プレミアリ-ガ-のクリスティアン·アツ:Christian Atsu【1992年1月10日生-2023年2月6日没】の悲報。無言での帰国に心を痛めたフットボ-ル関係者は少なくない。
ターキッシュ·エアラインズが毎日運航している羽田空港。来月からは全日空のイスタンブール便も始動する。犬も歩けばモスクにあたる悠久の都にはそれだけの魅力と需要があるのか。最もこの街で犬を見掛けることはなく、もっぱら擦り寄ってくるのは猫。夜中タクシム広場でのんびりビール飲んでいると怪しげなお姉····オバさんも時々擦り寄ってくる。
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第二話は欧州数あるスタジアムの中でも最高の絶景に感動したイスタンブールのレジェップ·タイイップ·エルドアン·シュタディアム。主要人員は13,797人。市内をぷらぷらと散策していたら思いがけず遭遇したのは完成した2007年6月から半年後。ガラタサライ、フェネルバフチェ、ベシュクタシュの三強以外にも多くのクラブが存在しているとは聞いていたが、急斜面に建てられたスタジアムを見下ろしながら、さて何処が所有しているのかと首を傾げた。
海原の輝きと空の抜けるような青さ、ブルーモスクに極めつけはエフェス:Efesビールのパッケージとイスタンブールは青い都のはずなのに、上記三強のユニフォームに青はない。下写真はターキッシュエアラインズが冠スポンサーを務めた欧州バスケットボール選手権2020-21の優秀杯がのパッケージの裏側にある。アナドル·エフェス·イスタンブールの快挙を祝してのデザインに期間限定とあっては購入するしかない。
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ネイビーブルーはカスムパシャSKの代名詞。ところが昨季のユニフォームは白地に紺と白のストライプ柄。その紺がかなり深くこのショーウィンドウ写真では黒にしか見えない。一方紺をベースに金の太いストライブが中央一本。このアウェ-ヴァージョンを今季はホーム用に転換しているのだから発想がユニーク。
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胸ロゴのスポンサー企業は変わるはずもなく’15年からクラブのオーナーに就任したトゥルゲイ·シネール:Turgay Ciner【1956年1月1日生】氏が会長職を務める同国最大級のコングロマリット。大地震による家屋倒壊に対して、65日間で100棟もの恒久プレハブ住宅を被災者に届けた早業が思い出される。
大統領の名前を冠する公立競技場
この競技場はエルドアン:Recep Tayyip Erdoğan【1954年2月26日生】大統領の地元とあってトルコ政府青少年スポーツ省が日本円に換算すると約58億5千万円の総工費をかけて新設した国立施設。当初片側にしかなかったスタンドはUEFA基準を満たすべく2010年には反対側の増設が成され現在の姿に。眺めとしては以前のほうが各段に素晴らしかったと、残念に思うのは筆者が異邦人だからか。地元住民からすれば日常目にする別段珍しくもない光景で然程気にしないのかもしれない。
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カバー写真はドルマバフチェ宮殿のチケット。’22年3月29日ロシアとウクライナの両国和平代表団をこの宮殿に招いたエルドアン大統領の行動に世界が注目した。翌23年の大統領議会同時選挙ではエルドアン政権二十年の歴史に終止符がうたれるのではと噂もされたのだが、秋以降世論支持率は持ち直し、結局再選を決めてしまった。