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勝負を分けたワンプレー

 先日、CL16の戦いが全て終わり、ベスト8が出揃った。ほとんどが順当な結果で勝ち上がっただろう。そのなかで最も熱い試合を繰り広げたのはバイエルンVSユベントスの試合だろう。

 ファーストレグはユーベのホームで2ー2という結果に終わり、バイエルン有利と見られたセカンドレグは壮絶な戦いとなった。

 前半開始早々にポール・ポグバの先制点で勢いづいたユーベはモラタの独壇場のドリブルから最後はクアドラードが冷静にゴールネットに流し込み、追加点を奪い、前半を折り返す。この時点でユーベの圧倒的有利な状況が生まれ、バイエルン側には暗雲が立ち込めたにちがいないだろう。ユーベのDFラインは強固なもので失点数が少ないチームである。

 実際後半のユーベはしっかりとラインを形成しバイエルンに最後の決定機を与えない戦いをしていた。そんな試合の均衡が75分に破られる。ドウグラス・コスタからのクロスをレバンドフスキが沈め1点差となった。

 しかしここまでの試合展開はユーベのプラン通りであったに違いない。残り15分を耐えれば、優勝候補の一角であるバイエルンを沈めることができる。その後もユーベは堅守でゴールを守り続けた。あそこまで守り続けると、守り自体も慣れが生じて、オフェンス側はなかなか最後の1点が取れなくなるケースが多い。

 まさにこの試合もそのような展開で試合が終わりかけたロスタイムに勝負の明暗を分けるプレーが起こる。

 ゴール前で細かく繋ぐバイエルンに対し体を張ったディフェンスで終止対応し続けたユーベのDFライン。そのときも同じく体をぶつけ最後にボールを奪取したのはエブラ。そのとき彼が選択したプレーはドリブルで相手の選手二人の間を抜け前線に繋ぐというプレーであった。しかしそのドリブルはカットされ、最終的にミュラーの同点ゴールを誘発してしまったのだ。

 その後試合は延長戦にもつれ、勢いづくバイエルンの攻撃を止めることができずに4ー2というスコアでユーベは姿を消すこととなった。

 チームを支えてきたベテランSBの1プレーが勝負を分けた。マンUやユーベで長きに渡り第一線で活躍するエブラのミスである。もしもあのときエブラがクリアという選択をしていたら結果は違っていたかもしれない。

 サッカーにはもしもという言葉は通用しない。だが、ユーベサポーターや選手、むしろエブラ本人が一番悔しがっているに違いない。DFラインであの時間帯にドリブルという判断を下したのは今までの実績によるものかもしれない。あそこでマイボールにし、時間を使えればという考えがあったのだろう。ただし、結果は無情にも同点ゴールを献上する結果となった。ワンプレーで勝敗が分かれるのがサッカーである。この試合はまさにその象徴的な試合となった。