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指揮官、主将、エースの総入れ替えとなるか!?~リヴァプール勝負の夏~

リヴァプールのバンディエラだったジェラードの退団を機に、選手たちの中には「オレたちがチームを支える!」との強い決意と挑戦心があるように感じる。しかしその一方で、リヴァプールに早々と見切りをつけてビッグクラブに移ろうとするスターリングの報道が目に留まる。

ジェラードも自身の退団よりもスターリングへの慰留に力を注いでいた模様で、「すぐに成功を求めようとするな」と諭したという。当然チーム側もスターリングの残留を目指して必死に交渉を重ねているが、リヴァプールの避けられない運命とこれまでの歩み。そして昨季の大失敗がスターリング放出に待ったをかけている。

☆トーレスの後釜とスアレスの後釜

リヴァプールがこれほどまでにスターリングの慰留に固執するのは、やはり昨季の苦い思いがあるからだ。昨季はスアレス、スターリッジ、スターリングの3枚看板による高速カウンターで優勝争いに絡んだものの、夏にスアレスが100億を超える移籍金でバルセロナに移籍。
100億もあれば優秀な選手を2~4名ほどは揃えられるが、リヴァプールはその補強の全てに失敗した。スアレスの穴を埋めるFWとして獲得したランバート(サウサンプトン)、バロテッリ(ミラン)は大きく期待を裏切り、チームは得点欠乏症に陥った。
その他にもマルコビッチ(ベンフィカ)、ロブレン(サウサンプトン)、ララナ(サウサンプトン)と主力としての活躍が見込まれたプレーヤーは本来の能力を発揮出来ず、数年前と同じ6位でフィニッシュを迎えた。

自分のチームで育てた選手を他クラブに高値で売却し、その収益で新たな有望株を数名獲得するやり方は自然なビジネスであり、資金力で劣るクラブには避けられない道でもある。
リヴァプールは2011年にトーレスを推定66億円でチェルシーに売却し、その売却益でアヤックスからスアレスを獲得した。移籍金は約29億円であり、その後のスアレスの活躍ぶりを見てもこのオペレーティングは成功だった。
実に利口なビジネスに見えるが、昨季のように一定の競争力を維持するためにはこうしたオペレーティングを毎回続けなければならない。それもミス無く完璧にだ。トーレスの後釜獲得では完璧な仕事をしたが、スアレスの穴埋めでは大きな失敗を犯した。

スアレスの穴を埋められないまま戦った今季は、総得点が昨季より49も減った。当然チームは優勝争いに加わる事が出来ず、再びCL出場権を失う位置まで戻ってしまった。今季が失敗だった事は誰の目にも明らかで、選手たちもリヴァプールでの将来を考え直したはずだ。
本来サイドの選手だったスターリングはいつの間にかトップとしてプレーさせられ、何の働きもしないランバートとバロテッリの尻を拭う事となった。そしてシーズン半ばには得点力が課題と批判されたのだから、20歳の若者としては不満もある。
自身のキャリアを考えても失速したクラブに長く留まる必要は無く、トーレスやスアレスがクラブを去った時のように優勝争いが出来るクラブに移籍したいと考えるのは自然だ。

リヴァプールとしては昨夏と同じミスは許されず、市場で有望株を漁るよりもスターリングの慰留に力を傾けた方が現実的と考えたのだろう。しかし結果が出ていない以上、リヴァプールに出来る策は年俸を釣り上げる事しかない。
その策もスターリングに「お金の問題じゃない」と一蹴され、もはや打つ手は残っていないように思える。スターリングを売却すればそれなりの利益が見込めるが、代わりに誰を連れてくるのか。条件はリヴァプールの資金力でも獲得できて、他のビッグクラブが唾をつけていない有望株となり、こんな好条件の揃う選手は探し出す方が難しい。
来季の設定目標が優勝である以上、獲得した選手には初年度から完璧なパフォーマンスを披露してもらわなければならない。幸いリールに所属するベルギー代表FWディボック・オリジの確保に成功しているため、サポーターの気分を和らげる事くらいは出来る。
しかし結局はスターリング&スアレスのダブルエースが抜ける形となり、負傷が続くスターリッジが復帰してこなければ今季以上に酷い内容となる可能性もある。