単純な空中戦で簡単に屈する逆転負け
【男子・東アジアカップ初戦】
日本1-2北朝鮮
得点者
<日本>武藤(3分)
<北朝鮮>リ・ヒョクチョル(79分)、パク・ヒョンイル(88分)
代表デビューの”じゃない方コンビ”が躍動した前半
海外クラブ所属選手の招集に拘束力がない今大会はJリーグに所属する選手のみから選考された“Jリーグ選抜”という印象の日本代表。それも3日前の水曜日にJ1リーグが開催されており、選手たちは木曜日に日本の各地から直接中国に移動して集合するというピッチ内外での過密日程。
ただ、2年前も優勝を決めた最終戦の韓国戦でも後半追加タイムに柿谷曜一郎(現・バーゼル/スイス)が決めたシュートが後半最初のシュートで90分通して3本目という防戦一方の末に手にしたという試合内容には乏しかったのが事実。山口蛍が大会MVP、柿谷が得点王を獲得したとはいえ、その大会でも練習時間がほとんどなく、代表経験の浅いJリーグ選抜であったため、チーム戦術や連携というよりも、選手個々の技術・メンタル・個性が試された末の優勝でした。
そんな中で迎えた今大会の初戦。先発メンバーには、DF槙野智章やFW宇佐美貴史といったヴァヒド・ハリルホジッチ監督の就任後は出番の多くなった選手を中心に構成された上で、右SBに遠藤航、トップ下に武藤雄樹というデビュー戦を迎える選手が入ってスタート。
キックオフから猛烈に圧力をかけて攻勢を仕掛けた日本は3分、遠藤の速く鋭いアーリークロスにニアサイドに走り込んだ武藤が合わせたファインゴールが決まり、日本が幸先良く先制。その後も遅攻では最終ラインや中盤からの縦パスに対して、武藤がバイタルエリアでフリックを使って流したボールからテンポアップする攻撃、速攻では新エース候補のFW宇佐美貴史が複数の相手DFを相手に局面打開してのシュートやクロスからチャンスメイクしたものの、FW川又堅碁や宇佐美、永井謙佑のシュートはGK正面や好守に阻まれて追加点を奪えず、決めきれない時間が続きました。
すると徐々に試合の流れも傾き、北朝鮮がシンプルにクロスを多用する攻撃ながらも人数をかけて攻め込む場面が増え、何とかGK西川周作の好守で防いだり、DFラインがぎりぎりのカヴァーリングで防ぐような場面も出て来た中で何とか耐えた前半は終了。
前半は遠藤保仁、武藤嘉紀という先人の存在により“じゃない方の”との枕言葉がついたデビュー戦コンビが躍動し、日本の1点リードで折り返しました。
空中戦に弱いのにDFラインを引き過ぎる矛盾で逆転負け
両チーム選手交代なしでスタートした後半。日本は宇佐美が後半開始からボールに全く触れないまま55分という早い時間で交代に。MF柴崎岳が入り、<4-3-3>気味の布陣に変更して、武藤が左ウイングのポジションに入ってカウンター狙いの戦略へスイッチ。