「そうですね。でも彼等はサイドバックとは到底思えない選手です。ホントに凄い選手だと思いますよ!」
―――ちなみに好きな、あるいは憧れのようなサイドバックはいますか?
「憧れる選手はいっぱいいます。自分とはタイプは違いますけど、まずはマルセロですね!そして、好きな選手はもちろん“先輩”のハルさんです!それから、今年なでしこジャパンにデビューしたマイナビ・ベガルタ仙台レディースの万屋美穂選手!まだ21歳になったばかりとは思えないくらいに上手な選手です!素直に『凄い!』と思って観ています!」
―――その万屋選手に浦和レッズLの北川ひかる選手と、若い左サイドバックの選手が代表に呼ばれていますね。
「北川選手はミスを恐れずに積極的にプレーしているのが好きですね。万屋選手はパスも上手いですし、3度も前十字靱帯断裂を経験したのに代表に定着して、今では主力になりつつあるイチ推しの選手です!」
サイドバックによるゲームメイク
―――最近はそういうゲームメイクをするサイドバックが増えて来たような気がします。酒井望選手もゲームメイクに絡んでいて、中盤の⑦澤田由佳選手の左腕になっていると思いますよ。
「いえいえ、自分はそういうタイプではないので。でもプレー中はゆかべさん(澤田選手)と、のんさん(MF⑩松田望選手)をずっと見るようにはしています。」
―――でもチームとして中盤までボールを運ぶ時、中央に入ってパスを受けて引き付け、同サイドのウイングに入るFW佐藤莉奈選手がフリーで抜け出すような場面をよく見ます。ASハリマ・アルビオン時代からの後輩との連携も際立っています。
「ゆかべさんや中央の選手がボールを持った時に、自分や莉奈(佐藤選手)が“間”を取るような動きを意識しています。莉奈が裏に抜けるのが得意なタイプなので、まず莉奈が裏を狙って、自分はその空いたスペースに出ます。相手のサイドバックのエリアでワンタッチプレーも混ぜると、数的有利やフリーな選手を作れるので。莉奈とは特に仲が良いので、いつもそういう話をしています。」
―――マイボールになった時、相手のFWやアタッカーはまずセンターバックかボランチにプレスを当てて、中央のパスコースを切りながらサイドに追い込みます。なので、サイドバックの選手にプレスがかかる時は、「はい、追い込みました」と、かなりの強度で当たりに来ますが、怖くないですか?
「んんん・・・自分は基本ビビリなんで~・・・(笑)。でも、それが分かっているのでファーストプレーで積極的にプレーしようとやっています。そうするとビビらずに上手く行くようになりました。」
“サイドバックあるある”
―――ちなみにサイドバック転向後に研究するようになったこともあるんですか?
「長友選手の『日本男児』という本を買って読んだり、最近ではアスリートの食事の本を買って読んでますね。よく走るポジションなので。」
―――よく走ってシンドイ。サイドバックの“シンドイあるある”はいっぱいあると思いますが、何がシンドイですか?
「今は左サイドから攻撃する事が多いので高い位置を取っていますから、自然と上下動が凄く多いですね。囮でもないんですけど、自分が走る事で空くスペースができるので、それを求められていますし、意識しています。あとは攻め切った後はダッシュして元に戻らないといけなくて、相手が速攻で味方のGKがキャッチするとこまで行くと、もう1回高い位置を取らないといけないので・・・そういうのが3,4回続くとさすがにシンドイですよ(笑)。」
―――そんなサイドバックの楽しさはどんなところにあるんですか?
「自分は実は守備の方が好きなんですよ。完全な1対1で勝負するのが好きで、大学ではそれを求められていたんです。相手に対応する時の姿勢、足の位置、体の向き、ターンの向きについて、つま先や踵の動きまで細かく要求されました。バニーズに来てからは中盤の選手が凄い上手いので、今までと違う部分も活かしてもらえます。それも大学の時に体得した細かい体の使い方が活きてると思います。なので、今まで経験して来たことがトータルで出せるのは楽しいですよ!」
―――それでは、チームはなでしこリーグ2部昇格がかかる入替戦を迎えます。昇格へ向けての抱負をお願いします!