ホームの伊賀は第4節・ちふれエルフェン埼玉戦で4-0と今季初勝利を完勝で挙げたが、先週末の第5節にアウェイで今季1部初昇格ながらも躍進しているノジマに手痛い敗戦を喫した。そこから中3日でGWによる連戦。精神面での回復が必要だ。
浦和レッズLは、昨季8位に終わって残留争いを経験したとはいえ、2014年には年間リーグ優勝(エキサイティングシリーズ)を果たしており、特に中盤には、猶本光と柴田華絵の技巧派MFコンビがいる。
ただ、テクニシャン揃いの中、昨年の浦和レッズLは試合内容を決定力不足によってスコア化できずに低迷。そのため、2014年と2015年になでしこリーグの連続得点王となった日本代表FW菅澤優衣香を獲得。本格派ストライカーの加入により、課題解消を狙って今季を戦っている。
また、今季から監督に昇格し、2013年にINAC神戸レオネッサで国内外全4冠制覇の偉業を成し遂げた戦術家・石原孝尚監督の手腕にも注目が集まる。
尚、伊賀にとって浦和は2012年9月の対戦以来、8試合連続で無得点と未勝利が続いている天敵でもある。
劣勢下で耐え続けるも、ミス絡みで2失点の完敗
試合は両チーム共に3本以上のパスが繋がるような場面が少なく、全く落ち着かない展開。特に昇格組・ノジマに敗れた精神的な疲労なのか?この日の伊賀は攻守の切り替えが遅く、動きが緩慢だった。
浦和レッズLは序盤、前線へロングボールを放り込む単調な攻撃に終始していたものの、その2トップの菅澤と吉良知夏が徐々にボールを収め始めたことで流れを引き寄せた。前線でボールが収まり、技巧派のMF陣が前を向いてプレーできるようになり、さらに伊賀のMF陣よりも中央寄りにポジションをとる事で、中盤のエリアでは数的有利を多く作ったことで、浦和は自由自在の攻撃を繰り出した。
劣勢に陥った伊賀は、最終ラインが下がり過ぎて前線と間延びした事もあり、跳ね返してもセカンドボールを拾われる苦しい展開。それでも何とか耐え凌ぎ、ハーフタイムで修正を促す想定だったはず。
しかし、前半終了間際、この日3試合ぶりに先発起用されたMF高橋悠が自陣でサイドチェンジのパスを奪われ、そのまま浦和にフィニッシュまで持ち込まれる。懸命のブロックで1度は防いだものの、逆側のぺナルティボックスに展開された時には浦和FW吉良が完全フリーとなり、そのまま失点。内容が悪いながらも何とか耐えていただけに、42分という時間帯の失点をミス絡みで喫したのは精神的に痛かった。
0-1で折り返した後半、選手交代なしで挑んだ伊賀は、1段階全体のラインを押し上げる事で圧力をかけ、ペースを握った。中盤からエリア内に駆け上がったMF櫨まどかの惜しいシュートなどもあったが、得点できず。
逆に攻め込んだ時間帯が続いた64分、ハーフウェイライン付近でDF大橋実生が不用意なボールタッチを相手FWに奪われ、そのままぺナルティエリアまで持ち込まれる。最後はGK越しのクロスを送られ、フリーの菅澤が難なく合わせて0-2。この日、最も鋭い動きを続けていた浦和FW吉良は77分にも右サイドからパス交換で抜け出し、最後は豪快な右足シュートを炸裂させて0-3。
その後、交代策も全く当たらなかった伊賀はホームでスコア以上の完敗で2連敗。冒頭の野田監督の悲痛な言葉がクラブ公式HPに掲載される事態となった。