嵐のような波乱のシーズンだった昨シーズンをなんとか残留で切り抜けたシュツットガルト。今シーズンはアルミン・フェーが再び古巣で指揮を取り、攻撃的サッカーを目指したチームとなっているが、ここまでなかなか結果が出ていない。
ここまでほぼスタメンで固定されていた酒井高徳も、その余波を受けて苦しんでいる。
彼がもう一皮剥けるためには何が必要なのかを考えてみた時、気づいたことがある。
現在のシュトゥットガルトのサッカーは両サイドを思い切り高い位置に押し上げ、サイドバックがウィングバック的な形でプレイすることが多い。
その為、特に攻撃面、クロスや中へ切り込むドリブルなど、求められるものは多い。
しかし、高徳はその肝心の攻撃面が雑になっているように思うのである。特にクロスの精度が新潟時代よりも悪くなっているのではないだろうか?
確かに彼は両サイドをこなせる貴重なユーティリティ性を持っているが、あくまで右は無難にこなせるというレベルであり、両方をやらされているうちに左に位置したときの精度も下がってしまっている。
コーチ陣も変わり、戦術を頭に叩き込むので精一杯なのかもしれないが、この停滞を乗り越えない限り、内田越え、長友越えは無理な話である。
守備面には目を瞑ってでも攻撃面でアピールが出来るサイドバックという特化型を目指すのか、はたまたオールラウンドに出来る器用貧乏方に落ち着いてしまうのか、今シーズンの高徳の動向はある意味、日本代表の行方を左右しかねないだけに、更なる飛躍を期待したいところだ。