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今野泰幸を”守備戦術の国”イタリアのサッカー用語を使って正しく評価する

 2012年にそれまでの10年間でJ1リーグ年間3位以上が8シーズンという常勝クラブとなっていたガンバ大阪に加入した今野泰幸。

 当時はアルベルト・ザッケローニ監督が率いる日本代表の不動のセンターバックとしてプレーしており、”超攻撃”のスタイルが定着していたガンバにとっては鬼に金棒となる大型補強として注目を集めました。
 しかし、加入初年度は前年まで10年の長期政権を築いた西野朗監督の退任、”常勝ガンバ”を築いたDFリーダーの山口智が今野加入に合わせて半ば戦力外のような形で退団となりました。
 そして・・・・なんと開幕前に優勝候補になっていたガンバは守備陣が完全崩壊し、攻撃もレアンドロに個人技に依存する形のままJ1リーグ18チーム中の17位でJ2へ降格。

 翌年には各大陸王者が集まるコンフェデレーションカップに日本代表メンバーとして参加して3戦全敗9失点。

 今年に入って”本番”となったブラジルワールドカップでも3戦未勝利の6失点でグループリーグ敗退に終わりました。

 本日は、それら全てのチームにあって最終ラインでプレーしてきた”今野泰幸”という選手の特徴を踏まえた評価基準について書きたいと思います。

誤解されている正当な特徴~身長と身体能力は関係ない!

 まず今野の特徴についてマスコミ報道で誤解されてる部分がありすぎると感じているので、ここから正して、実際のプレーと照らし合わせて検証したいと思います。

 今野は身長が178cmというCBとしては小柄な部類に入るがために、”身体能力に恵まれなくても、連携や戦術眼、戦術理解力でDFラインを統率できる頭脳派DF”として通っているのは間違いです。
 実際は2013年8月のウルグアイ戦の1失点目でのオフサイドトラップ失敗時に吉田麻也との連携が取れていない事が明白になった事からも理解できるように、基本的に日本代表でもガンバ大阪でも周囲との連係が良くない、という点は正さないといけません。ましてや連携で守れる戦術理解力ではありません。

 身長が高くない=身体能力が低いというのは間違った認識であって、体幹の強い日本代表左SB長友佑都は”フィジカルが強い選手”です。
 そして、その長友よりもフィジカルコンタクトが強くて、コンフェデレーションズカップでもイタリア代表FWマリオ・バロテッリやブラジル代表FWフッキやフレッジと対峙しても空中戦以外の競り合いでは負けなかったのが今野であり、逆に189cmの吉田は彼等に当たり負けをしていたという事。
 また、2012年のフランス代表戦での終了間際のドリブルからのカウンター1発をお膳立てしたように、持久性のスピード面での能力の高さも備える選手です。瞬発力、敏捷性という部分での速さなんて抜群のモノだと思います。
 また、空中戦に置いても吉田と比較すればそれほど劣るようなモノでもないと思われます。

 そして、上記の能力を活かした上でのプレースタイルが、パスを受けた相手や、ドリブル突破を仕掛けてくる選手に対しての1対1などの状況で、正面から当たってボールを奪う守備であったり、パスの受け手となる相手FWを後方からマークし、中盤から縦パスを足元で受けてポストプレーをこなそうとする瞬間に瞬発力を活かして足を出すなどしてボールを奪うプレーです。どちらも瞬発力、敏捷性といった即興で反応できる能力が必要な事もさることながら、相手FWとのフィジカルコンタクトは避けられない状況なので、競り合いの強さが要求されるプレーである事が理解できると思います。

 逆に、カヴァーリングの得意なDFに見られるようなパスコースを先読みしてボールを奪うプレーは全くありません。長友佑都や藤春廣輝という攻撃的な左SBが日本代表でもガンバ大阪でも頻繁に攻撃参加を多くとる選手がいようとも、そのスペースをカヴァーしたり、そのスペースを狙うプレーを予測してボールを奪うプレーは皆無に等しい。

日本でのサッカー用語の不足~イタリアで3種類の「ボール奪取」から見るザッケローニが今野を重宝する理由

 これらの今野の特徴についての誤解を生む要因になるのは、日本サッカー界にそのプレーごとのサッカー用語がない、という事が原因ではないか?と思います。

 例えば、”戦術の国”イタリアでは、「ボール奪取」という言葉にも3種類のサッカー用語が使われています。日本ではせいぜい”ボール奪取”に入る括りのサッカー用語は”インターセプト”ぐらいでしょうか!?それをイタリアではより細かに「ボール奪取の内訳」をわけるたけに3つの言葉があるのでご紹介します。