ジロ-ナの街から二人のジュゼップ とその妻
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カタルーニャ人で著名なジュゼップは、グアルディオラだけではない。名所巡りに少々飽きてベンチに腰を降ろしたのは地元の偉人=作家·ジャーナリストのジュゼップ·プラ:Josep Pla【1897年3月8日生1981年4月23日没】の名前を冠する広場。パラフルジェイで幼少期を過ごしジローナで高校を卒業した後バルセロナ大学へと進学。科学医学法律を学び学位を取得して卒業したのは1919年。二年後にはカタルーニャの連邦国会議員に当選している。
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ミゲル·プリモ·デ·リベラ:Miguel Primo de Rivera【1870年1月8日生-1930年3月16日没】の独裁政権下、軍事訴訟を起こし批判的な記事を書いたことから亡命を決断。この期間フランス、ロシア、イギリスなど欧州各国を旅して、’25年に初の出版物となる『Coses Vistes』を発表し文才を発揮する。食をテーマに多くの著作を残した美食家としても知られ「カタルーニャ料理は、カタルーニャの風景を鍋に入れたものである。」の名言も。食から文化や歴史、アイデンティティを生涯探求した。この市民の憩いの場だけではない。分野の縛りはなくカタルーニャ語で出版された作品を対象とする顕彰事業が創設されたのは1968年。毎年1月6日の公現祭(Reyes Magos)の日に、プラネタ社が主催するナダル賞と同時に発表される『ジョゼップ·プラ賞』は、バルセロナのホテルエル·パレスで授賞式が開催される。
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没後十年に設置された記念碑は、フランス·ロアンヌ出身の女流彫刻家ピア·クロゼ:Pia Crozet【1950年1月9日生】の作品。パリのシャルパンティエ美術アカデミーなど複数の教育機関で学び 1973年に彫刻の国家資格を取得。カタルーニャのブラナスに移り住み、ジローナ市で多くのパブリックアートを手掛けている。夫でジローナ出身の作家、詩人、文化活動家であるジョゼップ·タレス:Josep Tarrés【1929年生-2021年4月19日没】と共に、この街にある歴史及び芸術遺産の復興に尽力し、中でもジローナ通りにあるイサック·エル·セック·センターの修復には積極的に取り組んだ。
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第77話はジローナFCの本拠地エスタディオ·モンティリビ。2009年の訪問時、人口十万人の小都市は半世紀ぶりとなる二部昇格で其れなりに盛り上がっていた。日本から現在豪州のウエスタン·ユナイテッドでプレ-する指宿洋史:Hiroshi Ibusuki(1991年2月27日生】の移籍も話題に。しかしこの時筆者の頭の中は翌週のクラシコでいっぱい。ジローナでの試合観戦のスケジュールは組んでおらず、駅から南へバスで十五分、徒歩でも三十分ならばとモンティリビの外観だけ眺めた。当時はサイドスタンドに座席すらなかった。
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