チャンピオンズリーグベスト16、ドルトムントは1stレグのトリノでの試合を2-1で落とし、是が非でも勝利が、しかも2点差以上を必要とする状況でホームでの試合に臨んだ。
しかし、香川はベンチからのスタートとなった上に、ユヴェントスを良く知るはずのインモービレをもベンチスタートにするなど、リーグとは異なる戦術でクロップ監督は試合に臨んだ。
結論から言えば、それは完全に裏目に出たと言えるだろう。
トップ下に配されたミキタリアンは試合に乗り切れずに消えてしまい、サイドバックも含めたサイドアタックは機能不全、シャヒンが居ない為に効果的なパス配給が出来ない上にプレスをかけることも出来ず、ドルトムントは敗れるべくして敗れたといえるだろう。
アッレグリ監督はドルトムントのサッカーを研究し、その弱点を的確に突いた。
テベスの駆け引きで先制点を取られた時点で、試合の趨勢は決まっていた。
特に今シーズンのドルトムントは引かれた相手をこじ開け、崩すだけのパワーに欠けており、ゴール前にブロックを形成してからのカウンターという形に持っていったアッレグリが一枚も二枚も上手だった。
特にドルトムントのゲーゲンプレスを1タッチや2タッチで交わし、高めのライン裏へ狙うという戦術を徹底しており、まさに完勝というに相応しい展開だった。
コンテ政権下では頭打ちになりつつあったスカッドをさらに高みに持っていったその手腕は脱帽モノである。
次の相手はASモナコに決まった。
二枚看板を失いながらも相手の良さを消す嫌らしいチームに仕上がっているチームだけに、知将同士の読み合いも含めた面白い対戦となりそうだ。