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アーセナル対WBA~完全復調のウィルシャーが魅せたアーセナル流

FA杯連覇へ向けて快勝で3位フィニッシュ&完全復調の10番が魅せた「アーセナル流」

イングランド・プレミアリーグ第38節(最終節)
アーセナル4-1WBA

【得点者】
<アーセナル>ウォルコット(4,14,37分)、ウィルシャー(17分)
<ウエスト・ブロムウィッチ・アルビオン>マコーリー(57分)

消化不良が続くアーセナル 残留決定後にチェルシー下したWBA

 イングランド・プレミアリーグは遂に最終節。3試合を残してチェルシーが独走優勝を決め、すでに前節にイングランド代表でも主将を務めたリヴァプールの“象徴”MFスティーブン・ジェラードのホーム最終戦でクリスタル・パレスに敗れた5位・リヴァプールと4位・マンチェスター・ユナイテッドの差が開き、4位以内となり来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権獲得チームが決定。焦点は3位以内ならばチャンピオンズリーグのグループステージへストレートインへと移っています。4位ならプレーオフを勝ち上がらないといけない日程面の厳しさと先行きの見えないクラブ事情への補強策の悪影響という“差”が想定され、今季終了後にはコパ・アメリカが開催されるため、南米出身の代表選手を抱えるクラブには重要事項となっていますが、それも3位のアーセナルと4位のユナイテッドには勝点で3、得失点で7の差があり、実質は残留争いにのみ注目が集まる最終節となりました。

 リーグ戦8連勝を含む10戦無敗(9勝1分)がストップした3位のアーセナルにとってはこの位置をキープしたいところなのは当然。しかも1週間後にはアストンヴィラと対戦するFAカップ決勝という2連覇を懸かるタイトルマッチがあるため、ここ3試合未勝利で得点もオウンゴールの1得点のみという決定力不足の解消を修正しておきたいところ。

 アウェイのWBAこと、ウエスト・ブロムウィッチ・アルビオンは今季中盤戦までは降格の危機に直面しながら、指導者歴23年で1度も降格経験がない「残留請負人」トニー・ピューリス監督が就任してから一気に安全圏まで浮上し、早々と来季のプレミアリーグ残留を勝ち取りました。しかも前節は残留を決めてモチベーションを失っていてもおかしくない状況で、「新王者」チェルシーを3-0と下すなどシーズン終了までファイト溢れるプレーを見せています。

イングランド代表組が躍動~”10番”がタクトを振るい、ウォルコットがハットトリック

 アーセナルは終盤の8連勝を機にメンバーを固定しており、アーセン・ヴェンゲル監督就任後19年目で最長の6試合連続で全く同じ11人の先発メンバーを起用していましたが、前節で中2日の日程から遂に変更。この日は1週間後にFAカップ決勝を控えるために負傷が気になる、または負傷上がりの選手の試運転と見極めもしておきたい事情もあります。

 そこでこのプレミアリーグ最終節はシーズンを長期離脱していたイングランド代表FWテオ・ウォルコットが右サイドではなく、本人が希望する最前線に置く<4-2-3-1>でスタート。冬の移籍市場で加入したブラジル代表CBガブリエル・パウリスタが久しぶりに先発起用され、今季最も成長を見せたフランス人MFフランシス・コクランも2試合ぶりに先発復帰。出番の少なかったMFジャック・ウィルシャーと左SBキーラン・ギブスという2人のイングランド代表も連続先発出場。ここ2試合とは違ってテストの意味合いも強いメンバー構成になりました。