ブラピ主演映画に謎の映画プロデューサー
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日本から欧州までの長距離国際線の旅。機内エンターテインメントの充実は二十年前ならば考えられないほど。シ－トベルトを絞めると離陸前からイヤホンを装着、座席に装備されている液晶モニターに齧り付く。寝る間を惜しんで映画鑑賞に没頭するのは、時差ボケ対策にもなるのでお薦め。前回ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に触れた。主人公オデュッセウスの名前を聞いてブラッド・ピット:Brad Pitt【1963年12月18日生】主演『トロイ』(2004年)を思い出す映画通も多いことだろう。’15年公開されたリドリー·スコットRidley Scott【1937年11月30日生】監督の『The Martian:火星の人』の邦題をオデッセイとしたのにはセンスの良さが伺える。ブラピなる俳優を知ったのは＇91年に公開された『テルマ&ルイーズ』。この作品でメガホンを取ったのもリドリー·スコット監督。第64回アカデミー賞において六部門にノミネートされ、脚本賞に選ばれている。英国出身のスコット監督がアメリカ南部を舞台に如何にもアメリカの田舎臭い作品を撮ったのが興味深い。
ブラピファンならば自身がプロデューサーを兼任した’19年公開の『アド·アストラ』は堪らない作品かもしれない。これほど主人公の出番が多い作品も珍しい。エンディングロ－ルには製作総指揮の六人の中には名立たる映画プロデュ－サ－に混じって確かにポール·コンウェイ:Paul Conwayの名前も。インターネットマーケティングのFluent社では最高経営責任者=CEOを務め、過去には証券仲介のオッペンハイマー社·メディア投資銀行グループではマネージングディレクター。’10年に中国に移住し米中両国の企業に投資した後、’14年にパシフィック·メディア·グループを設立している。
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かつてナポレオンが英国を迎え撃つための要塞を築いた湾岸都市オーステンデ。ベルギー王室の避暑地としても知られるビーチリゾートは観光客で活況を呈する。駅舎にはおなじみのBのロゴ。駅前からトラムで四区間の距離にスタジアムはあるのだが、あえて一区間で下車しカジノを横目に歩を進めると眼前に白い砂浜が飛び込んできた。十代を瀬戸内海沿いの街で暮らしたせいなのか、欧州の内陸を旅していると海が無性に恋しくなる。アルベルト一世プロムナードを歩けば、潮風を肌で感じ耳にするのは波音。暫し水平線を眺めていると心も穏やかに。意識の奥にある原風景は，海のそばで暮らしたことがない人にも、歴史的な郷愁を喚起させるらしい。普段は昔のことなどすっかり忘れている痴呆オヤの脳内を思い出が駆け巡りノスタルジ－に浸る。｢生命の母なる海｣の力は偉大なり。
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第24話はKVオーステンデの本拠地、アルベルト·パルク·スタディオン。収容人員は八千五百人弱。チームカラーは赤·黄·緑の信号トリコロール配色。財政難に苦みながらも’13年に九年ぶりにとなる念願のトップリーグ復帰を成し遂げた。ヘント出身の実業家のマルク·ク－ケ:Marc Coucke【1965年1月27日生】氏がクラブオーナーになり財政基盤も安定し出した頃に足を運んでいる。クーケ氏は製薬会社オメガ·ファーマの創業者。翌14年には米国のベリゴがオメガ·ファーマを三十六億ユーロで買収。市販薬のジャンルでは売上世界第五位に。一方クーケ氏は自身の投資ファンドを通じて、ベルギー国内の不動産、建設、製薬、テクノロジー、食品、エンターテインメントなど幅広い業種に投資をしている。
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あの日あの時は■2015年10月27日ジュピラーリーグ第13節KVオーステンデ対KRCヘンク
当日の入場券とブルッヘからのベルギー国鉄乗車券、マッチデープログラムにジュピラーの瓶を添えた四点セット。しかしスタジアムの売店で売られていたのは、ジュピラーではなくカバー写真のMAES。ビールの売上も好調だったはず。この日は水曜=平日のナイトゲームにもかかわらず今季最高の七千四百人が来場。四節のアンデルレヒト戦を二百人近く上回った。二勝一分と共に無敗の両クラブの対戦を3-1で勝利すると五節はスタンダールリエージュを破り単独首位に。十一節のクラブ·ブルッヘには黒星を喫したが、十二節ヘントとの首位攻防戦は1-1のドロー。この日ブルッヘを下したアンデルレヒトが首位に躍り出る大混戦。三位のオーステンデと一つ下四位で優勝戦線に食い込もうとする
ヘンクの試合。試合は前半ホームチームが二点のリード。ゴールを決めたブラジリアンストライカーに、左サイドからボールを配給したのはジョルダン·ルカク:Jordan Lukaku【1994年7月25日生】。ハイスピードで走る黒い重戦車は同月にEURO 2016予選アンドラ戦でA代表デビューしたばかり。それにしてもこの写真ルカクの背後、客席に隙間が見当たらない。二点のリードから追いつかれハラハラさせる展開も、残り10分の決勝ゴールでサポーターは溜飲を下げると笑顔で家路についた。
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