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広島とG大阪のACL1次リーグ敗退を招いた理由はゼロックススーパー杯にありか?

 広島とG大阪のACL1次リーグ敗退を招いた理由はゼロックス・スーパー杯?
 
 今季のAFCチャンピオンズリーグのグループステージが終了し、日本のJリーグ勢から参加した4クラブ中、浦和レッズとFC東京の2クラブが共にグループ2位で勝ち残った。

 しかし、昨季の明治安田生命J1リーグを制したサンフレッチェ広島と、一昨年の国内タイトル3冠王者にして昨年のACLでJリーグ勢最高位のベスト4に進出したガンバ大阪がグループステージの段階で敗退した。

 広島は昨年のJ1リーグで2005年のJ1リーグ18チーム制導入後の最多勝点記録となる74ポイントを稼ぎ、リーグ最多の73得点とリーグ最少の30失点を誇ったJリーグ王者。G大阪は2008年にJリーグ勢最後のアジア制覇をしたクラブでもあるだけにショックは大きい。G大阪に至っては未勝利で最下位での敗退なのだから。

直接的なGL敗退の要因 開幕戦の敗戦と山東の奮闘

 言い訳がましくなってしまうが、第5戦の山東魯能戦で1-0と敗れてGS敗退が決まった広島には誤算があった。それは第4節で山東がFCソウルと引き分けた事。ACLでは勝点が並んだ場合は得失点差よりも当該チーム同士の直接対決が優先される。タイリーグ王者のブリーラム・ユナイテッドに連勝した事で広島がそのレギュレーションを活かすのならば、アウェイで山東に2点差で勝てばグループリーグを突破できた。FCソウルがそれまでの3試合で圧倒的な強さを見せていたからだ。山東とのホーム戦も勝つ、それも余裕で勝つとも思われた。しかし、それがドローに終わった事でプランは狂った。これが「遠かった1点、1ポイント」となった。

 ただ、どちらにしても連敗スタートしてしまった広島にとっては、アウェイの地で山東に勝たないといけないのは変わりない。それでも突破のためにはホームでのFCソウルとの最終戦でも勝点を奪わないといけなくなったのは、日程に対しての総合的なマネジメントをとる広島にとっては痛かった。もし、ソウルVS山東でソウルが勝利していれば、この第5戦の山東VS広島が「GL突破のための決勝戦」となり、この試合に一極集中して準備が出来たからだ。

 GL敗退の要因は、この日の采配や試合内容ではない。直接的な敗因は開幕戦で敗れた事に尽きる。それと山東がソウルと引き分けた事で、山東は広島よりも強さを示したとも言える。決して、広島がACLを軽視しているわけでもない。

ゼロックス杯、西日本クラブのJ1制覇の大きな意味

 
 ミカエル・ミキッチやピーター・ウタカを遠征に帯同させずに、今季公式戦出場がないDF高橋壮也が先発に抜擢されるなどした山東戦のメンバー選考に対して、日本のメディアや他のJクラブのファン・サポーターから「ACL軽視」や、「ワザと負けている」などと批判が上がっている。

 しかし、広島という地理的観点から考えて欲しい。広島がACLのアウェイ戦を戦う時、彼等は県内の空港からは飛べない。福岡空港の時もあれば、関西国際空港の時もある。大阪の北摂地方に拠点を置くガンバ大阪が伊丹空港ではなく関空からのフライトとなる場合に、「遠いなぁ」となる感覚以上のものを広島は毎回の遠征で痛感している。広島から関空までの移動で、1つの遠征は完了するぐらいの労力が発生するからだ。

 移動に関連しては日程の問題もある。これは今季のACLで未勝利のまま敗退とGL最下位が決定したG大阪にも共通する部分なのだが、ACL開幕戦の3日前にFUJI XEROX SUPER CUPを行った影響だ。ACLに出場するのに対して過密日程はどのクラブも覚悟の上だ。特に広島の場合は「2チーム分の戦力」を使いこなすためにも過密日程は有効活用して来たぐらいだ。しかし、リーグ戦はともかく、試合内外のイベントでも労力や拘束時間を要するゼロックス杯に出場する事で、広島もG大阪もACLの開幕に十分に準備が出来なかった。広島は中2日での山東戦、G大阪は中3日でのアウェイでの水原三星(韓国)戦があったのだから。共に関東圏のクラブ同士なら対応出来たのかもしれないが、広島と大阪のクラブの対戦なのならば工夫も必要だったはずだ。