今季のJリーグでは終盤に劇的なゴールが生まれる展開が多く、最後まで試合を楽しむ事が出来るリーグと評価されていた。
しかし、それは両陣営のサポーターが日本人の場合に限る。日本国民全員で応援する日本代表が、他国に劇的ゴールを決められる展開など嬉しいはずもない。
そして既に日本はその屈辱をドーハの悲劇という形で心に刻んでいる。言い換えれば浦和は、ドーハの悲劇から20年たった2014年に全く同じミスを犯してしまったのだ。当然終盤にゴールを許す事もあるが、相変わらず日本サッカーは試合を終わらせる事が出来ない。
この悪癖はザッケローニを苦しめ、それを4年間で解消する事は出来なかった。アジアカップ2011準決勝・韓国戦のロスタイムに被弾してPK戦にまでもつれ込み、2013年にベルギーとおこなった親善試合でもロスタイムにアルデルヴァイレルトにCKからヘディングゴールを許した。
日本は世界の強豪にパワープレーを仕掛けられれば50%ほどの確率で失点している。2試合に1回もこのような事態が起こるのは大問題であり、優勝まで7試合もあるW杯では絶対にやってはいけない行為だ。
試合の流れを読み、良い時のサッカーと悪い時のサッカーの両面に対応する柔軟性を身に付け、リードを保った状態でタイムアップの笛を聞くコントロール能力を身に付ける。これが今の日本サッカー界がぶち当たっている壁なのだ。
そしてこの壁を1つずつJリーグの舞台から解決していかなければならない。海外組に頼るのはあくまで個人の部分のみで、日本サッカー界全体に根付かせるにはJリーグが奮起するしかない。面白みが無くなるかもしれないが、良い意味で波乱の起きないJリーグになった時、日本はもう1段高みへ到達する事が出来るだろう。