バーゼルが誇る若き才能、ブレール・エムボロ。
若干17歳の彼はセカンドトップから中盤まで多数のポジションをこなせるポリバレント性と共にテクニックとフィジカルの強さをも兼ね備えた注目の選手である。
スイスとカメルーンの二重国籍を持っていることから、将来的には両国のサッカー協会の綱引きも充分に想像できる、将に逸材であるが、今冬、彼はスイスの地を去ることになるかもしれない。
彼に目をかけているチームは非常に多いものの、一歩リードしていると見られているのがドイツブンデスリーガのヴォルフスブルグである。
フォルクス・ワーゲングループの豊富な資金力をバックに多くの若い才能や実力者を揃えていっているこの金満チームは、1200万ユーロをチームに提示しているといわれ、噂ではすでに今冬での移籍を確約しているというものすら聞こえてきている。
もっとも、アロフススポーツディレクターはその噂を否定しているものの、ここに来て主力選手に怪我などが相次いでおり、新戦力の補強があるかどうかで注目されている。
特にルカクの獲得に失敗し、前線の強力な核になり得る選手に欠けているだけに、彼の獲得に成功すれば、欧州の舞台でも大いに期待できるチームの一つとして名乗りを上げることも可能となるだろう。
ヘッキング監督の戦術も二年目でチームにしっかりと根を張りつつある。いかに経験を積ませ、来シーズン以降へ繋げていくかも含め、大きな転換期に差し掛かりつつあるだけに、更なる戦力の補強が行われるのか否か。
冬の移籍市場での動きに注目したい。