Foot ball Drunker 〔127〕visiting『 Wiener Neustädter Stadion 』ウィーナー·ノイシュタット / オーストリア

実戦で揉まれ 大人のプレーを学ぶ若者達

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北海道とほぼ同面積で変わらない国土に東京23区と変わらない数の人々が暮らすオーストリア。

以前拝読したテキストでモラス·雅輝:Masaki Morass【1979年1月8日生】氏とザルツブルクのユーススアカデミー責任者が『他国の同年代と比較して、身体の使い方やインテンシティーも含めて、ザルツブルクは大人のサッカーをしている』と会話していた。これに深く同意したのがこの試合。


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結果は才能溢れる十代の若者達を、巧みにベテランが翻弄してウィナー·ノイシュタットが1-0の勝利。
写真は、マルクス ルセク:Markus Rusek【1993年12月26日生】とハネス·ヴォルフ:Hannes Wolf【1999年4月16日生】のマッチアップ。後半から入ると中盤で奥川雅也:Masaya Okugawa【1996年4月14日生】とヴォルフを警戒、攻撃の芽を摘み取るタスクを熟していたルセクは23歳。この国では若手に属さない。30歳の現在グラーツァーAK 1902(二部)でプレーしている。


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第127話では奥川とヴォルフの前に立ちはだかったベテランに注目。左サイドバックのアンドレアスシッカー:Andreas Schicker:【1986年7月6日生】。16歳でFKアウストリア·ウィーンのトップチームに登録。2003年オーストリアブンデスリーガデビューを果たし05年のU21欧州選手権予選に出場。翌06年にはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の予選、エスタディオルスではルイ·コスタ:Rui Costa【1972年3月29日生】が攻撃のタクトを振るうベンフィカとの対戦も経験している。このリーフェリング戦当時はアシスタントコーチを兼任していたはず。翌17年にはウィナー·ノイシュタットでスポーティング·ディレクター(SD)の要職に就く。  


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2018年11月にオーストリアブンデスリーガのクラブSKシュトゥルム·グラーツからチーフスカウトとして招かれており、この当時SDを務めていたのはギュンター·クライスル:Günter Kreissl【1974年5月17日生】氏。’08年から四年間ウィナー·ノイシュタットのGKコーチ、’12年からSD、更に’15年から監督も兼任していたから旧知の仲。


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その手腕が認められ2020年4月20日、クライスルの後任として、同クラブのSDに。シッカーディレクターの下、オーストリア王者RBザルツブルクに次ぐ地位を確立した。ウィーンの二強に取って変わり、2022年と23年と連続して二位。ÖFB杯をグラーツの街に持ち帰った。移籍市場での収益面でも高い評価を得た彼に対してドイツ·ブンデスリーガのクラブも興味を持っているとか。