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アウクスブルクでベンチ外の日本代表FW宇佐美貴史は超リアリストな「ドイツ最優秀監督」に評価されないのか?

示すべきは守備意識ではなく個人技や突破力

 その上で気になるのは唯一出場したリーグ開幕戦のヴォルフスブルク戦。実況・解説者も「精力的に守備していました」という程、1点のリードを許す中で切り札として投入されたはずが、なぜか守備に奔走したまま終わったこと。さすがに負けている状況でも守備を要求するような事はないはずで、あったとしても、そんな指示は受け流さなければいけない。

 また、「シュスター監督の守備重視のスタイルに宇佐美は合わない」のは確かだが、わざわざアジアから呼ぶ外国人選手に既存の選手と同じ事を徹底させる必要も意味もないはず。

 Jリーグのクラブがブラジル人FWを獲得するのは決定力の部分で「助っ人」として期待しているためで、逆に2列目に外国人選手を獲得しないのは、もともと優秀な日本人選手がいるから。その上でドイツのクラブが2列目を得意とする日本人選手を獲得するのは、そこに需要があるからだ。 

 そう考えると現在の宇佐美に求められるものも明確になってくる。

 攻撃に人数をかけたくないのがシュスター監督の考えであれば、宇佐美は持前の単独ドリブルで突破力と推進力を発揮すること。攻撃型のチームで前線にスペースがない状況よりも、むしろ宇佐美にも好都合なぐらいだ。

 監督からの指示・要求を聞く必要はあるが、それを自分の中でいったん噛み砕いて消化し、改めて監督に自ら意見を提案・相談する。一般社会でも必要な「報告・連絡・相談」が重要で、それが本当のプロサッカー選手の姿だろう。

 それさえ出来れば、宇佐美はアウクスブルクどころかドイツやスペインのトップクラブでも絶対的な地位を確立する能力は十二分に備えているはずだ。