28〗The Valley / ロンドン

第28話は英国の首都ロンドン、チャールトン·アスレティックFCの本拠地、二万一千人収容のザ·ヴァレー:Valley。中田(※プレーヤー時代は敬称略)はイタリアの五クラブを渡り歩き二百二十八試合、英国で三十試合に出場した実績の持ち主。三十一得点に対しアシストは二十五。キラーパスの印象が強いものの中盤の選手ながらフィニッシュの高い精度も数字が証明している。ラスト(2006-06)シーズンは英プレミアリーグのボルトン·ワンダラーズで過ごした。フィオレンティーナからのレンタルが決まると九月 六節のマンチェスター·シティ戦に途中出場。続く七節ホームでのポーツマス戦でサム·アラダイス:Sam Allardyce【1954年10月19日生】は中田をスタメン起用しフル出場。八節プレミア初昇格のウィガンに敗れ連勝の止まったチ-ムから暫し離れて同胞達と合流した代表ウィーク。リガでの試合から中三日で臨んだキーフでのウクライナ戦。二試合とも主将章を巻き中盤の底でプレーしている。
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ブルー·イズ·ザ·カラーの歌声響くスタンドを背にしたサムライ達

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そして休む間もなく九節敵地でジョゼ·モウリーニョ:José Mourinho【1963年1月26日生】が指揮を執る首位チェルシーとの対戦を迎える。結果を先に述べてしまえばスタンフォード·ブリッジでのリーグ戦十九試合を一分無敗と無双の強さでシーズン連覇を達成してしまうブルーズ。イタリアで強豪に揉まれた中田のキャリアを振り返ってもクラブレベルとなると、史上最強がこの日の“スペシャルワン”率いるチームと言ってほぼ間違いない。2014年2月に発売された Number誌(文藝春秋)の表紙写真=モウリーニョ×中田英寿氏のツーショットを見てこの九年前の試合が思い出されたのは十一年前。
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九十分フル出場のウクライナ戦から中二日とあってベンチスタート。0-1とリードで前半を折り返したボルトンは中田をピッチに送り出す。しかし眠っていた猛獣が目を覚まし牙を向いたような後半。退場者を出した事で数的不利に追い込まれたボルトンに対して、容赦ない猛攻で五得点を奪う完勝劇。ディディエ·ドログバ:Didier Drogba 【1978年3月11日生】は2G1A、フランク·ランパード:Frank Lampard【1978年6月20日生】が2G2Aの好パフォ-マンスを披露。この二人に関しては手がつけられない状態。イスタンブールでのUEFA杯にフル出場して中二日、十節ウェスト·ブロムウィッチ·アルビオン戦は中田待望のプレミア初ゴールで先制。終了間際にはケヴィン·ノーラン:Kevin Nolan【1982年6月24日生】のダメ押し弾で連敗から脱出している。同クラブ所属の稲本潤一:Junichi Inamoto【1979年9月18日生】との日本人対決は実現しなかったが、’01年からプレミアでプレーするパイオニア稲本も八月:三節で英五年目にして初めてスタンフォード·ブリッジのピッチに立っている。この試合もランパード二得点にドログバも一得点。ランパードの先制ゴールをアシストしたのもドログバだった。
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