欧州文化首都は欧州連合指定の都市で、年間を通して多種多様な文化交流イベントを開催するプロジェクト。1985年、トップバッターに選ばれたのはギリシャのアテネだった。’93年アントワ-プを欧州文化首都に定めてのイベント開催。ベルギ-政府からの協力の要請に応え、日本最大規模の芸術系NGOであるEU·ジャパンフェスト日本委員会が発足される。
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2017年はキプロスのパフォスとデンマークのオーフス。1月28日の開会セレモニ-ではキプロス王ピグマリオンと彼がこさえた女性像にアフロディーテが生命を吹き込んだガラティアの神話が上演され好評を博した。
一昨年六本木の国立新美術館で開催されたメトロポリタン美術館展。その目玉となったのが仏新古典派の画家/彫刻家のジャン=レオン·ジェローム:Jean-Léon Gérôme【1824年5月11日生-1904年1月10日没】が描いた名画『ピグマリオンとガラティア』。二ュ-ヨ-ク滞在時に眺めているが、スト-リ-が頭に入っている作品は気楽に鑑賞できる。
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アイルランド出身のノーベル文学賞作家ジョージ·バーナード·ショー:George Bernard Shaw【1856年7月26日生-1950年11月2日没】の戯曲が映画化されたのは1938年。英国で制作されたロマンティックコメディ『ピグマリオン』は2000年に日本でもDVDが発売さている。さすがに筆者世代でもこの作品は見ていない。ミュージカルからオードリー・ヘプバーン:Audrey Hepburn【1929年5月4日生-1993年1月20日没】主演で映画化された『マイ・フェア・レディ』ならばよくご存知のはず。
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最後の写真は、2017年12月ウェンブリーでのUEFAチャンピオンズリーグ/スパーズ対アポエルのマッチデ-プログラムと転がした空瓶。
何処に行ってたのと聞かれキプロスの名前を出すと、「トルコとギリシャで縄張り争ってる島でしょ。」と回答する方が意外に多くて驚かされた。しかし英国領だった黒歴史は意外と知られていない様子。
ウェンブリーでは二十代のアポエルサポ-タ-達と出逢ったが、彼等にとっては旧宗主国のクラブとの対戦に特別な感情など微塵もない。パリカリデスもいつかはピグマリオン同様、伝説から架空の英雄と崇められる日か来るのだろうか。[第173話了]
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⏹️写真/テキスト:横澤悦孝 ⏹️モデル:Heidi