23〗Stadion Lokomotiv / ソフィア

第23話はロコモティブ·ソフィアの本拠地 ロコモティフ·スタジアム。その名が示すとおり、モスクワやザグレブ同様、鉄道勤務の職員によって設立されたフットボールクラブ。長く二部に低迷していたかつての名門が一部復帰を果たしたのは四年前。あの日あの時は■2022年9月10日第10節PECロコモティフ·ソフィア対レフスキ·ソフィア
三千五百人の観客動員数を記録しており、かなりをレフスキのサポ-タ-が占めスタンドを青く染めていた。
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スタンドか炎上するソフィア·ダービー

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先制したのはホームチーム。左コーナーからのボ-ルをキーパーはパンチングで弾き出す。するとダイレクトで左足を振り抜いたのはセントラルミッドフィルダ-のクラシミ-ル·ミロシェフ:Krasimir Miloshev【2000年4月5日生】。ゴ-ル前の密集地帯をすり抜けネットに突き刺さった。ミロシェフは小学生年代はハンドボールに熱中しており、’13年にフットボ-ルに転向したのもゴールキーパーとして。その後ロコモティフ·ソフィアに移籍すると’16年に十六歳でトップチームに昇格したのだから驚かされる。2020–21シーズンからはキャプテンを任されており、この試合でも白い腕章を巻いてのプレ-。前半同点に追い付かれ1-1で折り返しの後半。相手のトラップミスから掠め取ると、距離はあるもののフリ-の状態だから迷わず右足を振り抜く。狙い澄ました長距離弾は再びネットを揺らし、突き放しにかかるロコモティフ。
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ヒ-トアップしたスタンドでは発煙筒が炎上し始める。するとパトリック=ガブリエル·ガルチェフ:Patrik-Gabriel Galchev【2001年4月14日生】がこちらも見事なミドルを決めて同点に追い付く。今度はレフスキサポ-タ-が騒ぐ番。アウェ-側スタンドはもはや消防車を要請したくなる火災現場にしか見えない。そしてアディショナルタイムに途中出場の背番号9イリヤ·ディミトロフ:Iliya Dimitrovのゴールで決着。当初八分と表示されたアディショナルタイムだったが、終了の笛が吹かれた時には時計の針は十一分をまわっていた。七枚のイエロ-カ-ドと併せて、試合の激しさをその数字が証明している。
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ロコモティフの七に対してレフスキが放ったシュ-トの本数は倍の十四。守護神アレクサンダ-·リュベノフ:Aleksandar Lyubenov【1995年2月11日生】もこの日の主役のひとり。地元のレフスキ·ソフィアでキャリアをスタ-ト。ユースでの成長を実証したのは’14年8月17日のボテフ·プロヴディフ戦。トップチームデビュー戦は2対1のスコアで勝利を飾った。2016–17は当時二部のロコモティフに貸し出され二十六試合に出場すると’21年には完全移籍。この試合は古巣への強烈な恩返しとなった。ミロシェフがカタ-ルへと去った現在は主将を務めている。
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列車を待つ時間、することがないのでアスティカとアリアナを飲み比べてみた。結果三本目はアスティカをバックパックにしまって出発進行列車に飛び乗る。但し価格が安いという理由でブルガリア滞在時一番飲んでいたのはアリアナだったかも。ここにあげた以外の地ビールも幾つか飲んでいるがレベルは結構高い。
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世界最大の聖母像と見下ろす美しい街並み

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