44〗Stadio Arena Garibaldi – Romeo Anconetani / ピサ

あの日あの時は■2022年5月29日昇格プレーオフ決勝2ndレグ ピサSC対モンツァ三日前敵地での1stレグで1-2で星を落としたものの最少得点差。アディショナルタイムの得点で望みを繋いだ。
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初戦に続き試合終了寸前にまたもピサがゴールを奪う。奇跡のミドルシュートを突き刺したのは途中出場のジュゼッペ·マスティヌ:Giuseppe Mastinu【1991年10月9日生】。アウェーゴールルールの廃止により一勝一敗と判定され延長へと突入。勝利の女神はシルヴィオ·ベルルスコーニ:Silvio Berlusconi【1936年9月29日生-2023年6月12日没】のクラブに微笑みクラブ創立百十年にして初めてのセリエA昇格。あと一歩及ばず斜塔の街は涙に暮れた。
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さてアズ-リの監督に就任したガットゥーゾではあるが、プレ-ヤ-としての実績は申し分ない。但し指導者としての実績には?がつく。クロアチアでもリエカ、ディナモの後塵を拝してハイドゥク·スプリトを解任されたばかりだし荷が重すぎやしないか。取りあえず単年契約だが時間は限られている。側近には元イタリア代表レオナルド·ボヌッチ:Leonardo Bonucci【1987年5月1日】を配すが、彼も現役時代ピサでのプレ-経験がある。実はルチアーノ·スパレッティ:Luciano Spalletti【1959年3月7日生】の後任には推薦したい人物がいた。
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2018年からハンガリ-代表監督を務めるイタリア人マルコ·ロッシがその人。ここまで七十四試合で指揮を執り戦績は三十四勝十七分二十三敗。これは中堅国では称賛に値する。2017年にブダペスト·ホンヴェドを国内王者へと導いたから白羽の矢が飛んできた。
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イタリア産の名将を手放さなかったハンガリ-

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’21年と23年の欧州選手権は予選を通過しての本大会出場で最低ノルマを果たしたが、注目すべきはUEFAネーションズリーグ。ロッシ就任時の第一回大会はCグル-プからの発進。Bに昇格した2020-21はロシアとは引き分け。セルビアとトルコには0-1とアウェ-では負け無しの強さでAに昇格。2022-23大会は誰もが降格はハンガリ-と予想するなか、ドイツとイングランドを見下ろす順位に。ちなみに首位はイタリアだった。

今年三月のプレ-オフではトルコに敗れ遂にB降格。七年もやればマンネリ化してモチベ-ションも下がる。母国への帰還はロッシ自身にとっても、ハンガリ-代表にとっても新しい風を吹き込むよいタイミングではと思っていたのだか。
何と同国協会は2030年6月まで契約延長を発表した。既にハンガリー国籍も持つイタリア人監督への評価と信頼は、筆者が思う以上に高かったということか。

さてイタリア代表は九月にアウェ-でエストニアと対戦。ここは差程問題ないとして次のイスラエルは一筋縄ではいかない相手。
ガットゥーゾ新監督の真価が問われる一戦はハンガリーのデブレツェンで行われる。〖第四十四話了〗
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