ワールドカップでMVP級の活躍をし、世界に未だ健在だということを知らしめ、最高のスピードとテクニックを兼ね備えている選手がロッベンである。
100メートルを10秒台で走ると言われているロッベンであるが、ワールドカップでも初戦のスペイン戦で、そのスピードで後ろからセルヒオ・ラモスを抜き去り、ドリブルで相手を翻弄し、ゴールを決めた。
ロッベンのイメージといえば昔から、スピード、怪我、切り返してのシュートと言ったイメージが思い浮かぶ人も多いだろう。ロッベン自身、何度も怪我をしており、シーズンを通して戦えたことはないのではないかと言える程である。
しかし、昨シーズンは、シーズンを通して怪我がなく、バイエルンの史上最速優勝に貢献。そのまま、ワールドカップでもオランダを3位に導いた。
ロッベンはフローニンゲンでキャリアが始まり、PSV、チェルシー、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘンと数々のビッグクラブでプレーし、在籍したビッグクラブすべてでリーグ優勝を経験した。そして、一番活き活きとしてプレーしているのがバイエルン所属の今だろう。怪我やレギュラーから落とされたり、活躍したのに放出されるといった不遇を今までは味わってきたが、バイエルンではそういうことがない。バイエルン=ロッベンのチームと言える程の存在感になっている。
プレー的には、彼のドリブルは、ほぼ左足のみのタッチであり、スピードに乗ったドリブルをする。ディフェンスはスピードで抜かれないように縦をカバーすれば、切り返され得意の斜め45度の位置からシュートが決められる。逆にロッベンは中に切り返すからといって、中をケアすると縦に抜かれる。ディフェンダーはロッベンの動きが分かっていても止められないのである。そして、一度裏にボールが出されれば、ロッベンにスピードで勝つことはできない。彼のシンプルだが有効的なプレーは無駄が一切ない。
今シーズンは、当然、チームとしてリーグ優勝とチャンピオンズリーグ優勝を狙っているだろうし、個人としてはバロンドールを狙っているかもしれない。ロッベンの実力であれば、ライバルは多いがバロンドールを取る可能性はあるだろう。