2011年にパリ・サンジェルマンにカタール資本が投資することが決まった時、クラブは目標として2015年にUEFAチャンピオンズリーグに優勝することを目標に掲げた。しかしこの投資が本当に成功とするのか難しいように感じた人は多かったはずだ。
リーグアンは欧州の大国のフットボールリーグでありながら、その選手層やマーケットなど他の大国に比べると魅力にかける。
多くのフランス人のトップクラスのプレーヤーは他国でプレーしているし、クラブレベルで見るとUEFAクラブランキングのトップ10にフランスのクラブはない。
しかしUEFAチャンピオンズ・リーグ14/15、グループF第2節、パリ・サンジェルマン対FCバルセロナ、
この試合で一つの結果が出たといえるだろう。
チャンピオンズ・リーグに出場するには当然ながら自国のリーグで上位にいなければならない。しかしこの上位のチームは若干の入れ替えを伴うとはいえだいたい決まっているのが正直なところだ。
この寡占状態に割って入ることは簡単なことではない。もちろんチェルシーやマンチェスター・シティのように既に常連のクラブを手に入れるの手っ取り早いかもしれないが、投資額は飛躍的に跳ね上がり、その一方でリーグでのCL枠に入ることは保証されない。
とはいえUEFAランキングの低い国となると国内リーグで優勝してもCLは予選からスタートしなければならないから、本戦のグループステージへはなかなかたどり着けない。
そもそもそうした国の国内リーグは市場規模はあまりにも小さすぎて、投資の対象としては魅力がない。
ところがフランスはその点、微妙な位置にいる。
フランスのUEFA国別ランキングは現在第6位。この位置であればリーグアンで1位および2位のチームが本戦にストレートで出場できる。
そしてリーグアンで安定した強豪クラブはライバルのマルセイユのほか実に限られる。
こうした状況を冷静に分析すれば選手獲得などの投資に対しての成果、すなわちチャンピオンズ・リーグの出場は高確率で期待できる。
そうであれば投資される選手や監督も納得してこのプロジェクトに参加できる。
そのひとり、イブラヒモビッチがPSGに移籍するときのインタビューでこう言っていたのが忘れられない。
「ミランについてはいい思い出しかないけど、未来はここにある。」
今のミランの現実、そしてイブラやラベッシが欠場しても、バルサを倒すほどの層の厚さ。
イブラが言う未来が現実に近づいたことに間違いないようだ。
2015年の目標も確実に近づいている。