16〗MCH Arena / ヘアミング

仲良し蘭丁からプレゼントされたF16

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その出来栄えに思わず膝を打ちシャッタ-をきった戦闘機の模型。撮影したのは十年以上前であるに違いない。場所はロ-マ市内。廃材のリサクル作品と思わるれるがハイネケンとコカ·コーラの空き缶を使用している。オランダとい聞いたらハイネケン、デンマークならばカールスバーグのブランド名が浮かぶアルコール漬けの脳。ライセンス契約で日本産が手軽に入手できるのだから、生涯最も飲んだ欧州銘柄となるのはハイネケン、二位はカールスバーグに落ち着く。トランプ政権に変わり風雲急を告げるウクライナへの軍事支援。オランダ、デンマーク両国からアメリカ製F16戦闘機がウクライナへと供与されてから、まだ一年も経ってない。第一弾の六機に続き、年の瀬には第二弾となる三機がデンマークから出荷されている。アメリカ オランダ、デンマークの三か国首脳による共同声明がもはや遠い昔にも思えるが、機体の納品に先駆け、パイロットの訓練が行われたのもオランダとデンマーク。環境対策先進国として知られるデンマークは 冷戦終結後から防衛費を大幅に削減し、環境関連の研究開発費に予算継ぎ込んできた印象が強い。それでも’23年の段階でF16は四十三機を保有し、三十機が実質稼働している。我が国の三十六を上回るから侮れない。
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1644年当時自国領のマルメの要塞でスウェーデン軍を迎撃し勝利した時のデンマーク国王はクリスチャン四世。また同時期スペインからの独立のため交戦中のネーデルランド連邦共和国とスウェーデンは同盟国の関係にあった。そこで援軍が向かったものの、こちらもデンマークの提督艦隊に撃破されている。クリスチャン五世へ国王はバトンタッチ。時代も変わり’75年からのスコーネ戦争ではデンマーク王国はネーデルランド連邦共和国の海軍と共闘して、スウェーデン·バルト帝国&フランス王国相手に火花を散らした。それからおよそ三百五十年もの間、友好な関係を持続しているのが両国。
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森と湖の国 今では風の国に

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再生可能なエネルギー分野における関係強化のため南アフリカ共和国の行政首都プレトリアを両国首相が訪問したのは一昨年六月。風車の国オランダはそのイメージどおり風力と太陽光で既に電力の半分以上をカバーできている。電力消費の100%を自然(再生可能)エネルギーへの転換を2050年までと目標に定めているが雲をつかもうとしているわけではない。
デンマ-クは太陽光よりも風力発電に注力しており既に約五割を風力に。現代版"風車の国"の看板を掲げるのは隣国ではなくデンマ-ク。国内消費の約八割が再生可能エネルギーに転換済みのデンマークは更に二十年早いゴールインを目指しているのだから、こちらでも侮れないのである。
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繊維産業の街から環境都市へ

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環境エネルギー産業に注力するデンマークの拠点となるのがヘアニングの人口は約五万。近郊都市圏を含めても十万人に満たない中央ユラン地域の都市ではあるが、環境エネルギー欧州協会と産官学の共同研究開発組織『グリーンシティデンマーク』の本部も置かれている。2009年に完成した現代美術館を中心に奇数年にはビエンナーレも開催されており、知る人ぞ知るデンマークのアートシティ。戦後からほぼ一貫して人口が増加している同都市では安定した雇用により財政黒字を達成できている。

1991年に創設されたヘアニング市の優秀な建築物を選ぶ顕彰事業。昨年受賞したのはDILLING社の新社屋と物流センターと周辺公園の景観。1916年の創業以来デンマーク国内と海外でウールをはじめとする繊維製品を扱う同社。湾曲したフォルムの建物の片側外階段で公園と繋がっており 生物多様性に重点を置いた自然植生と建物が統合されたデザインが評価された。ウールが持つ自然の特性を重視する同社では、有害な化学物質や重金属を使わない染色方法にごだわる。人と環境に配慮しながらオーガニックな天然素材を用いた高品質の衣類づくりは如何にもデンマ-クの企業らしい。
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家具職人二人の工房からスタートした世界の家具·インテリアブランド

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写真の撮影で頻繁に足を運ぶ横浜みなとらい。クイーンズスクエアのGodivaで待ち合わせ。ふと見上げると欧州の趣を醸すショ-ル-ム。もしやと思ってエスカレ-タ-を上るとボーコンセプト:BoConceptの九文字。北欧を代表するデザイナー家具ブランドがここにもあるとは灯台下暗し。青山にフラッグシップがあるのは、知っていたのだが。
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