プレミアリーグ16節、ノースウェスト・ダービーとなったマンチェスター・ユナイテッドとリバプールの対戦、3−0でマン・ユナイテッドが昨シーズンの借りを返した形で終結した。
この試合後、ブレンダン・ロジャース監督は『我々は勝利に値するプレーをしたと思うが、ゴールを決めるという点に関しては足りなかった』との談話を残している。
しかし、果たして本当にそれだけがチームの勝利を左右したのだろうか?
まず、リバプールはそれまで継続して使用していた4−3−3の布陣を3−4−3に変更して試合に臨んできたが、慣れない布陣に選手が苦戦し、マークの受け渡し等で穴が多すぎた。
特にルーニーの先制点は完全に彼をフリーの状態でシュートを打たせてしまっており、布陣変更がこの大敗に与えた影響は大きいといえる。
次に、ミニョレの調子が上がらぬ為にベテランのジョーンズを起用せざるを得なかったリバプールと、指を負傷したとはいえ、今シーズンは好調を維持し続けているデ・ヘアのGKの差は大きい。
これは、スタッツを見れば一目瞭然である。シュート数、枠内シュート共にリバプールが上回っているにも関わらず、この点差が着いているという点で、GKの力量の差は明白に出てしまっているといえるだろう。ヴィトール・バルデスとの契約がすんなり纏まっていれば、とリバプールの上層部は今頃悔やんでいるのではないだろうか?
FWに関しては、本当にゴールが入らなかっただけの差であると言える。先発したスターリングも、後半から投入されたバロテッリも何度か惜しい場面があった。
ただ、相手が好調なデ・ヘアであったのが不運であった。
また、昨シーズンの悪癖であった前線のプレスを掻い潜った後にはザルの守備という致命的な弱点が、今シーズンも全く改善されていない点が一番の問題点であろう。
ロジャース監督は守備の構築には不安があっただけに、昨シーズンにブレイクしたセインツの各選手でてこ入れを図りたかったのだろうが、悉く自身の戦術にフィットしかねており、今後にも不安を抱かせる形になっている。
事態がこのまま改善しないようであれば、当然ロジャース監督の進退問題に発展しかねないだけに、なんとか事態を好転させねばならないが、問題点が多すぎてそうすれば良いのか、監督も苦戦しているようだ。
まずは噂どおりにオチョアが獲得できたならば、守備の安定にはある程度の目処が着きそうなだけに、スアレスの後釜となり得るストライカーの獲得が至上命題となるのではないだろうか?
残念ながら、バロテッリではスアレスの穴は埋められそうにないのが実情だ。
そもそもタイプが全く違う選手を獲得したことに問題があるわけで、ロジャース監督のみならず、強化部門も相当てこ入れが必要なのではないだろうか?
果たしてリバプールは再び浮上を果たすことが出来るのだろうか?
ここで終わるようなチームではないはずだ。なんとか、解決策を見出して欲しい。