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モウリーニョの「意識の高い」サッカー

 本当かどうかは分からないが、それが本当かもしれないと思わせるモウリーニョがさすがだ。
 
 そんなモウリーニョがマンチェスター・ユナイテッドの攻撃陣相手に行った印象的な戦術は、元々DFだった若手のズマをポジションがDFラインのひとつ前のボランチの位置に置くことだった。
 それはピッチ上の選手のみならずスタジアムにきたサポーターやテレビの前の人間たちにもわかる「守る」ことに重きを置くフォーメーションだった。
 そして試合自体もチェルシーのイメージしていた試合展開となり前節まで好調であったユナイテッドのA・ヤングやフェライニ、そしてあのファルカオといったアタッカー陣を完全にシャットアウトすることになる。
 もともと両サイド攻防は今節のベストイレブンに選らばれたアスクリピエタやイバノビッチが抑えるだろうと思っていたから、問題はあの195cmと長身のフェライニをどう抑えるかが注目だったが、そこにコンバートされたズマが仕事をする。
 空中戦では自由にさせず、セットピースでもマンマークを図りターゲットにさせず、常に目の前に立ちはだかることによってこのアフロのベルギー人に全く仕事をさせなかった。ファルカオもテリーとケイヒルどちらかが常にチェックし、調子の上がらないこの選手のフォワードとしての役割をほとんどさせなかった。そしてあの前半38分に得点した1点を守りきったという試合だった。
 
 ユナイテッドも20本以上のシュートを打ち70%のボール支配率を記録したが、試合を見ると決定的なシュートはほとんどなく、ボールも持たされていた印象だった。これはバイタルエリアに入ろうとした攻撃陣をチェルシーの選手たちがそれを阻み、仕方なく遠目からのミドルシュートが多くなりいたずらにシュート数が増えていった様子だった。それは、キーパーのクルトワからフォワードのドログバまでのチェルシーイレブンの「守ってやる!」という守備意識の高さがユナイテッドの攻撃意識を上回ったという事実だった。