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マンチェスター・ユナイテッドvsアーセナル ~ドローでも3位争いに勝利したアーセナル

 アーセナルは水曜日に開催される延期となっていたサンダランド戦で勝利すると3位以上が決定します。また、アーセナルは最終節のウエスト・ブロムウィッチ・アルビオンとの試合と合わせて、共に格下相手にホームであるエミレーツスタジアムで2試合を戦える圧倒的有利な状況となりました。

4位以内は確定のファンハール政権は合格点 オランダ流のポゼッションに伝統のサイド攻撃兼備

 ブラジルW杯で3位入賞を果たしたオランダ代表での活動を経て、休暇2日間で就任した新任地のマンチェスター・ユナイテッドでリーグ戦4位以内の来季CL出場権利は確保したルイス・ファン・ハール監督。チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督と、サウサンプトンのロナルト・クーマン監督を1997年から2000年までのバルセロナ監督時にアシスタントコーチとして従えたファン・ハール監督のユナイテッド1年目のミッションは合格点が与えられるでしょう。

 250億円以上の移籍金を使って超大型補強を敢行しながらの4位は期待値を下回るかもしれませんが、開幕直後に全く勝てなかった状況から考えると明らかにチーム力が安定。むしろ、“パニック・バイ(衝動買い)”と言われた補強プランがファン・ハールの意向とは合っていないと思われるので、難題を解決した監督の手腕は評価されてしかるべきだと思います。

 フォルカオもディ・マリアも全く戦力になれずに退団濃厚となっていますが、今季に続いての大型補強が噂されるユナイテッドは殊勲の指揮官の意向を汲んで移籍市場で動くべきでしょう。

 この日はルーニーとキャリックが不在でもアーセナルを内容面で圧倒する試合展開。「ショート→ショート→ロング」または、「横→横→縦」というリズミカルなパスワークで“幅”“深さ”を使ったポゼッションはファン・ハール流やオランダ風。それでいて、ユナイテッド伝統のサイド攻撃でヤングを再生させたのも大きかったはず。クラブの伝統と指揮官の哲学が混じり合ったサッカーが出来ている部分にファン・ハール招聘の成果ありでしょう。

 ただ、バイエルン・ミュンヘンで初年度にも前年無冠に終わったチームを国内リーグとカップの2冠+CL準優勝という3冠目前、それもトーマス・ミュラーの抜擢や、バスティアン・シュバインシュタイガーのボランチコンバートという現在のバイエルンのベースを構築したプラスアルファを持ちながら・・・・2年目途中で解任。バルセロナでも就任からリーグ2連覇を果たしながらオランダ人選手の大量加入で印象を悪くするなど、長期政権には向かない指揮官にも来季はさらなる圧力がかかるでしょう。

 プレミアリーグにやって来ても、“ファンハール一派”と呼べる師弟がいる稀代の名将の2年目は過酷でしょうが、十分にリーグ制覇を狙うチームを作ってくるでしょう。