大方の予想では、この試合はリバプールの圧勝というものであったようですが、終わってみれば0-0のスコアレスドローと、ハルシティにとっては大金星であったようです。
試合開始後の序盤は、リバプールがその圧倒的な攻撃力でハルシティのゴールを脅かしていましたが、GKの調子が良かったことからも、得点には到りませんでした。
加えて、ハルシティは選手全員が自陣のペナルティーエリア付近にいましたので、リバプールはそこへとボールを入れることが出来ず、何とかハルシティのDFラインを上げようと、ロングシュートを打っていきました。
すると狙い通り、ハルシティ側はMFより上の選手がロングシュートのケアなどの為に幾分上がり始め、同ゴール前にスペースが出来てきたのですが、正に神がかったようなGKのセービングにあい、リバプールは得点を奪えませんでした。
しかしそれでも得点の臭いはしており、点が入るのは時間の問題であるようにと思えたのですが、一転、ハルシティが攻勢に出始めました。
これに対してリバプールは下がらずに打ち合いを挑んでいきましたが、それでも得点は奪えず。この試合を通しての一番の功労者は両チームのGKでしょう。
さて、雨あられの如くにシュートを打ち続けたリバプールが得点を奪えなかった理由ですが、ハルシティGKのセービングの他にもう一つ原因があります。
それは、ジェラードとバロッテッリが噛み合っていないことです。
ジェラードは独特のリズム感を持つ選手で、『彼のドリブルやパスはラップである』などと、よく言われていたのですが、それでしたらば、こちらも独特のリズム感を持つバロッテッリとは噛み合うはずなのです。何かがズレているのでしょう。
ただ、この試合でもジェラードは面目躍如の働きをしており、前線の選手をコントロールしたり、ときに自らがドリブルで切り込んで行くなど、質の高いプレイを観せており、やはりそのドリブルは、イングランド人のリズム感ではないと思われます。
余談ですが、一時期の中村憲剛がジェラードとそっくりのプレイスタイルでした。
特に2010年のW杯パラグアイ戦でのプレイにそれは顕著に表れており、岡田監督に『ジェラードのような選手になりなさい』と言われていたようです。