トップ下の2名がワイドに広がると、基本的には相手のボランチが付いていく。しかしあまり彼らに引っ張られすぎると中央が空き、そこをトップのスターリングに使われてしまう。チェルシーはボランチのマティッチとミケルがたびたびワイドに釣り出され、空いた中央でスターリングにボールを持たれるケースが多かった。
ボランチが付いてこない場合は、フリーとなるジェラードやコウチーニョから攻撃を組み立てる。サイドには攻撃的なWBのアルベルト・モレノとイベが上がってくるため、ここでの1対1からもチャンスを作る事は可能だ。スターリッジも復帰したため、さらに攻撃に迫力が出る事だろう。
☆追撃の1歩が遅かった
惜しまれるのは、このシステムを思い付くのが少し遅かったという事だ。すでに首位チェルシーとは勝ち点差17が付いており、ここからどれだけラッシュをかけても追いつく事は出来ないだろう。昨季と同じように後半戦に巻き返しを図る形とはなったが、今季は少々遅すぎた。
狙えるとすればCL出場権内の3位〜4位が妥当だろう。2月22日には4位サウサンプトンとの対戦も控えており、ここで勝つことが出来れば2季連続のCL出場も現実味を増す。もはやチェルシーやユナイテッドと並んで優勝争いをしていたのは過去の話で、今は強豪の地位に返り咲くために1歩1歩進んでいかなければらならない。
CLに出場する事は全ての出発点となり、クラブを安定させる1番の薬になるだろう。
ただ、今季限りで退団となる赤い魂を持つ主将・ジェラードにプレミア優勝の美酒を味あわせてあげたかった。それが何よりの後悔であり、彼が中心となっている今の3−4−2−1を見ていると、もう少しトップレベルでやれるのではないかと思ってしまう。
ハマり始めた3−4−2−1で輝くジェラードを、リヴァプールサポーターは目に焼き付けておくとしよう。