8月29日から31日にかけて、ドイツ・ブンデスリーガは第二節が行われた。
その中で注目していたのは二試合あった。バイヤー・レーバークーゼン対ヘルタ・ベルリンの試合とシャルケ04対バイエルン・ミュンヘンの試合である。
今回は、その中からレーバークーゼン対ヘルタの試合を振り返ってみたい。
レーバークーゼンは水曜日に行われたチャンピオンズリーグのプレイオフから中二日での試合となったが、スターティングメンバーはいじることなく試合に臨んできた。
一方、ヘルタは開幕以降も怪我人が相次ぎ、計画を前倒しして負傷明けのルステンベルガーを投入してきた他、布陣もいじってきた。それは老獪なヨス・ルフカイ監督の考えたシュミット戦術封じの一つの回答とも言えるものであった。それは5-4-1の布陣に加えて中盤で細貝にボールホルダーを徹底マークで潰してのショートカウンターを狙うというものであった。いうなればワールドカップでのコスタリカの戦いに近いものといえるかもしれない。
前半はヘルタの戦術がピタリとはまる戦いぶりとなった。前線へと蹴りだされるボールをハイティンハらを中心とした守備陣が跳ね返し、更にレーバークーゼンがボールを持つや素早く激しいプレスでパスコースを消し、ボールを奪取すればすぐに高いラインの裏側へシーバーとシュルツを走らせるという戦術を徹底していた。
その結果、守備陣の焦りを生み、イェドバイのオウンゴールに繋がったといえる。前半終了間際にようやくリズムを取り戻しつつはあったものの、最後まで攻撃はかみ合わないままで前半を終了した。
シュミット監督は後半に向けて打った手は、疲れからか動きが重く、周りとも微妙にかみ合ってなかったソンを下げ、ブラントを投入したのである。これが効果を発揮した。中盤から前線をかき回すブラントの存在でマークが微妙にずれはじめたのである、これが結果的にイェドバイの同点ゴールに繋がった。もちろん、これはヘルタ守備陣の(特にマークについていたファン・デン・ベルグがイェドバイを追いかけてしまったためにオフサイドを取れなかったのも大きいのだが)判断ミスも大きかった。結果的なことを言えば、守備の拙さが同点までを導き、レーバークーゼンの選手のスタミナの見積を間違えたが故の決勝点、ダメ押し点であったといえる。
逆に言えば、この短期間でチームに戦術を植え付け、一試合を走りきるだけのスタミナを付けさせたシュミット監督とコーチ陣の実力は相当のものである。未だリーグ優勝もポカール優勝のの経験も無いチームではあるが、今季こそ、一冠を勝ち取ることが出来るかもしれない。