その甲斐あって連勝するようになり、成績も上向きかけた。
ところがある意味勝負の試合であるルールダービーで意外な場面が見られた。
それは以前コラムにも書いたが。一言で言えば香川を後半途中に交代すると、戦い方が一変、と同時にあっという間に3得点し見事に勝利した。
このときはいまだ確信に至らなかったが、今回のハンブルガーSV戦でほぼクロップ監督の狙いが明らかになったと見た。
ドルトムントは試合の序盤から中盤を飛ばしてワントップのオバメヤンをターゲット放り込んできた。2列目の選手はそのセカンドボールを拾う姿勢を見せた。
ところが後半開始時に香川を下げカンプルを投入するも、戦術は変更せず相変わらずロングボールを多用、試合はスコアレスドローに終わった。
奇妙な感じがした。
一見するとやっているサッカーはまるでイングランドの古臭いそれ。
おそらく香川の交代も彼のでき、云々というよりも戦術的なそれ。
なぜなら中央を回避してサイドからのチャレンジが多かったからだ。
むしろ香川はトップ下で左右にふらることが多く、ボールの保持率が下がっているにもかかわらず体力は消耗している。
前回のコラムでこれらのことが香川のチーム内の重要度が低下のしたのかもしれないと書いたが、今回の試合を見て少し違った感触を持つようになった。
というのもある考えが浮かんだからだ。
香川は2列目のスイーパーかも知れないかと。
つまり左右にふられるように見えた香川は、実はこぼれたボールの回収役に専念しそれなりの意味合いが与えられていた可能性があるからだ。
今回、ロングボール入れて、そのセカンドを高い位置で狙うこの作戦は成功したと言えないが、それは選手にきちんと浸透していないからであり、高い位置から攻撃を開始するこのアイディアはゲーゲンプレッシングの改良版と見ていいだろう。