独特のボールキープにパスセンスを持つレフティ~「得点を取れるFW」ではないが、「勝点を取れるアタッカー」
そんなキャンベルはベティスで28試合2ゴール、オリンピアコスで32試合で8ゴールと決して得点を多く挙げるFWではない。起用されるポジションがサイドだったからではなく、1トップで固定されたブラジルW杯でも初戦で得意の左足による豪快なボレーシュートの1ゴールのみと、「得点が取れるFW」ではない。
しかし、彼を軸としたベティスやオリンピアコス、コスタリカ代表は明らかに強くなっている。つまり、キャンベルは、「得点を取れるFW」ではないかもしれないが、「勝点を取れるアタッカー」なのだ。ベティスや完全移籍での買取りを狙ったオリンピアコスが彼の残留を望むのもココが理由なのだろう。
彼のプレーで特徴的なのは、ボールキープだと筆者は思う。左利き特有のボールタッチも魅力だが、何よりも相手DFが絶対に触れられない逆側のコースにボールを置く術を体得している。これは、現チームメートのドイツ代表MFメスト・エジルに非常に似ている。取られそうで取られないだけでなく、ドリブルで1度抜いた相手に追い付かれないのは、この技術と感覚にあると言える。斜め方向にドリブルしながら、鋭角に出せるスルーパスや浮き球を交えるセンスも含めて、キャンベルにはパスセンスも備わっている。
イングランド・プレミアリーグで優勝争いをしながらも、マンチェスター・ユナイテッドとスウォンジー・シティ相手に連敗を喫し、トッテナム・ホットスパーとの“ノース・ロンドン・ダービー”でも引き分けて首位を走るレスター・シティとの勝点差が8に開いてしまったアーセナル。
「エジル依存」を問われるアーセナルにはサンティ・カソルラの長期離脱の影響が出ているが、カソルラは少なくとも4月までは復帰できない。エジルを補完するための右サイドMFとしてプレーしていたアーロン・ラムジーをボランチとして固定し、前線への縦パスや攻撃のスイッチが入りにくい現状、エジルがボールを受けに下がってプレーするならば、エジルと似た感覚を持つキャンベルにもっとチャンスを与えるべきだろう。
また、エジルの負担を減らすためにもトップ下でのキャンベルも観てみたい!!