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国際親善試合、イランVS日本~ピッチ内外で貴重だったマッチメイク

新戦力の台頭はなく、的確だったのはマッチメイクのみ。収穫は経験か?

 親善試合であるため6人の選手交代が許可されている上で「予定通り」の前半のみの出場で香川に替わって清武弘嗣がそのままトップ下に入る1カ所の変更でスタートした後半。開始早々、いきなり左クロスからフリーで2人に飛び込まれる大ピンチに冷や汗。何とか逆サイドから絞って対応した米倉が懸命のクリアで防ぎ、事なきを得ました。

 すると48分、本田が右サイドから左足で鋭いクロスをゴール前に供給。武藤が相手CBコンビの間に抜群のポジションニングをしており、イランのGKハギギも飛び出すスクランブル状態になり、ハギギが手で弾いたボールが武藤の背中に当たって、そのままゴールに吸い込まれて、ラッキーな形から日本が1-1の同点に追いつきました。

 さらに58分には相手のCKからの攻撃を寸断すると、一気にカウンター。清武からの絶妙なスルーパスを宇佐美が受けると、宇佐美もスピードに乗ってスペースへ抜け出す武藤へスルーパス。相手GKと1対1になるほどの独走になったものの、GKを交わそうとした武藤のドリブルがGKの手で弾かれる。さらに、こぼれ球を本田が拾ったものの、懸命に戻ってきたDFのブロックに遭遇してシュートすら撃てず。決定機を失敗。武藤の長距離ランは確かに長かったが・・・あとは決定力不足を自認する国ならば、武藤の横を誰かが並走していても良かった気もしました。

 その後、日本が59分に原口(宇佐美と交代)、66分に岡崎慎司(同、本田)、72分に柏木(同、柴崎)、75分に丹羽大輝(同、酒井高)と大量に選手交代を行う、“如何にも親善試合モード”の時間帯に。イランも選手交代と共に運動量がガタ落ちした事で、中盤には大きなスペースが拡がってオープンな展開になって行きました。

 中盤の守備が緩くなった両チームが共にゴール前まで攻撃を仕掛ける事が可能になったものの、集中力と緊張感が途切れてしまった試合は時間の経過と共にその傾向を強くし、終盤には87分に代表デビューとなる20歳のFW南野が途中出場した以外は何も起きず。1-1のままドロー決着。

 この日の先発メンバーでテストされた5選手の中では、後半から特に宇佐美に替わって原口が入った辺りから米倉がよりアグレッシヴにプレー。持ち味の攻撃面では見せられなかったものの、代表キャップ2試合目もアピールに成功。酒井高徳がいるならばお互いに逆サイド起用の方が良い気がするものの、端正なルックスとは裏腹のガッツ溢れる米倉はどのポジションでもやって行けそう。また、その意味では1トップでもサイドMFでも“自分のプレー”ができる武藤も決定機をミスしたとはいえ、水準以上のフィジカル面の強さ、スピードや突破力をどのポジションでも発揮できるという面でも及第点以上の出来。その他は【選手採点&寸評】をご覧下さい。

 それにしても貴重なマッチメイクでした。よく、「欧州の強豪国とアウェイ遠征を組め」と叫ぶ記事や選手、サポーターを含むサッカー関係者の声を目や耳にしますが、欧州の強豪国は日本の事を何も知らないままに試運転するような試合をするだけ。2013年の秋にセルビアとベラルーシに敗れながら、オランダに引き分け、ベルギーに勝ってアベコベの結果を手に入れたものの、結局何かチカラが付いたでしょうか?”至上最強日本代表”という不必要な過信をするキッカケになったとしか思えません。それと比べれば、今回のイランに限らず、韓国やオーストラリア、中東勢のようなアジアの強豪国と強化試合を組む方が良いと思います。FIFAの新規定で欧州や南米勢と対戦しにくいカレンダー作りを要求される中、日本だけでなく韓国や豪州もマッチメイクには困っているはずです。お互いにとっても重要な強化の場となると思います。
 
 これにて10月の日本代表シリーズは終了。11月には12日にシンガポール、17日にカンボジアと共にアウェイ連戦が予定されています。

 では最後に選手採点&寸評でお楽しみください。

【選手採点&寸評:独断MOMは森重】

出場選手採点
選手 採点 一言
GK西川周作 6.5 危ない場面も多かったが、DFラインとの連携やコントロールも含めて統率力を発揮。ピンチは多くても振り回された印象がなかったのはファインセーブも多かった新守護神のおかげ。
DF酒井高徳(75分まで出場) 5.0 闘えてはいたが、攻守両面でその卓越したスピードを活かす場面は少なかった。周囲の選手との連携も少なかった。
→DF丹羽大輝(75分から出場) 6.0 終盤のピンチの場面で身体を張って失点を防ぐ好プレー連発も、本来CBとはいえ、CBよりも後ろに位置してライン統率を乱した部分もあった。
DF吉田麻也 5.5 ピッチの至る所で球際に負ける選手が多い中、森重との連携で相手の攻撃を跳ね返し続けた。 PK献上のシーンは頭に血が昇ったのか?彼には集中力が永遠の課題。
DF森重真人 6.5 ギリギリの場面で「ココしかない」ポジショニングから失点回避のプレーを連発。全くリズムを握れない試合を引き締める事が出来ていたのは彼の存在感が大きかった。
DF米倉恒貴 6.0 前半は宇佐美の中途半端な守備意識で下がって来るのが逆に邪魔だったか?全く何もできなかったが、後半はイラン相手にフィジカルでも負けずに闘志むき出しのプレーでチームを鼓舞。バックパスで味方を殺すキラーパスが多いのは気懸りですが・・・。
MF長谷部誠 6.0 中盤より前の選手がほとんど何も出来ない中で主将は冷静に対応。DFラインとも連携して試合を最後まで作った姿は、まさしく”替えの利かない存在”。
MF柴崎岳(72分まで出場) 5.0 フィジカルや守備面の不足はもちろん、ターンして前を向く意識が低過ぎる。柏木が見せたプレーを最も強く意識して欲しい選手。23歳の中田英や小野は欧州で大活躍していたので、もう”若手”ではない。
→MF柏木陽介(72分から出場) 6.0 彼が今後も代表でプレーしていくかどうかは分からないが、ワンタッチでマークを剥がして前へ出ていくプレーは現在のボランチや2列目の選手に圧倒的に欠けているプレー。とにかくボールを積極的に受けて、出して、動き直す。彼がプレーした意味は大きい。
FW本田圭佑(66分まで出場) 5.0 相手のマークに苦しみボールを失う場面が多く、守備で奮闘したとはいえ、あまり良いイメージはなかった。時より香川や武藤とポジションを入れ替えてみるのも一考か?
→FW岡崎慎司(66分から出場) 6.0 久しぶりの右サイドも見てみたかったが、最前線でプレー。オーバーヘッドでのシュートなどで切れ味は見せたが、イランよりも”親善試合ムード”に負けた。
MF香川真司(45分まで出場) 4.5 彼ほどの経験値があるなら、ボランチやFW、本田と入れ替わって機動力を出していくようなアイデアを自ら発信してもらいたい。消息不明のままの交代では・・・。
→MF清武弘嗣(46分から出場) 6.0 シリア戦同様に香川と交代したが、この2人を共存させる事がお互いやチームにとっても良い方向へ向かう気がするが、指揮官の起用法はそれを全面否定しているのが不思議。
FW宇佐美貴史(59分まで出場) 4.0 この日のようなプレーなら清武に任せた方が効果的。武藤はどのポジションでも自分のプレーが出来るのに、彼はポジションに拘ってしまう”お子ちゃま”。かつては比較の対象にもならなかったはずである同い年の武藤やソン・フンミンが遠い存在になっていく。
→FW原口元気(59分から出場) 5.5 シリア戦ではコンディションが悪そうだったが、この日は良好。元同僚の柏木投入後は特に活き活きとプレーして好機量産。ただ、彼に必要なのは”数字”なのも確か。
FW武藤嘉紀(87分まで出場) 6.0 ボールを収める部分ではカウンターの起点にはなったものの役不足。それでも決めきれなかったカウンターからの独走の場面など持ち味は見せた上で得点も記録。
→FW南野拓実(87分から出場) 短時間出場のため採点不可。デビューしたものの、ボールタッチなし。宇佐美や柴崎がキャップ数ゼロだった”逆サプライズ”からすればそれだけで収穫か?