2月17日、今季から『プレナスなでしこリーグ2部』に昇格して来た女子サッカークラブ=バニーズ京都SCが『新加入選手発表会』を開催した。新加入選手として7選手の加入が発表される中、長期離脱を伴う怪我からの復活を目指す選手がいる。日本代表経験も持つDF加戸由佳(背番号16)。中学2年生時から岡山湯郷Belle一筋に13年以上プレーして来た27歳のDFの言葉に耳を傾けて欲しい。
自分を知ってくれている選手がいる!
―――今まで色んなポジションをされて来ました。バニーズではどのポジションでプレーすることになりそうですか?
「センターバックかサイドバックになるのかは千本(哲也)監督が考えられていることなのでまだ分からないですが、DFとしてプレーする予定です。」
―――バニーズの左SB酒井望選手とは岡山湯郷Belle時代のチームメイトであるだけでなく、同じ時期に京都市の病院へ入院されていたと伺いました。一緒に苦しい時期を乗り越えた選手がいることは、バニーズ加入の決め手となったのですか?
「実は『コレが決め手!』というのはないのですが、“のみさん”(酒井望選手の愛称)という知り合いの選手がいるのも大きいですし、元・岡山湯郷Belle所属ではMF松田望選手もそうですし、DF谷口きくみ選手やFW田中麻由選手もいます。また、今回一緒に加入した“のまちゃん”(DF野間文美加選手の愛称)もいます。やっぱり、自分のことを知ってくれている選手がいるって言うのが、自分でも『やりやすい』と思える部分がありました。
一番左が加戸選手、左から3番目が酒井望選手。写真は酒井望選手のInstagramより引用。
それから、試合見学や練習参加もさせていただく中で、バニーズというチームが雰囲気明るくやっている姿を見て、『良いな!』、と思いました。特にその時は自分自身がまだ怪我でサッカーが出来ていない状態でした。自分を追い込むような苦しい気持ちだけではリハビリは続けられないと思っていたので、その時に見たり感じたりしたバニーズの明るい雰囲気の中で、『やりたい!』と思いました。
【バニーズの印象】「巧い!個々の能力も高い!」
―――ちなみにバニーズのサッカーの内容面についての印象はいかがですか?
「やっぱり、“巧い”ですね!」
―――日本代表経験やなでしこリーグ1部優勝経験もある加戸選手から観ても、“巧い”ですか?
「“止めて、蹴る”技術のひとつひとつをとっても上手いですし、個々の能力が高い選手もたくさんいます。チーム全体でパスを繋いで攻撃をしていく部分もそうですね。それから、守備面でもDFラインがラインコントロールをしっかりと意識しながら組織的にやっている印象があります。」
―――私も練習を1日見学させていただいたのですが、パス回しの練習メニューが多いですよね?
「パス回しの練習の中でも頭を使いながらやるメニューもありますし、足下の技術を凄く使う、要求されるメニューもウォーミングアップからでもあります。そして、その中で明るく楽しそうに練習するバニーズの選手達が印象的なんです!
自分自身はもう27歳なんですけど、『まだまだサッカーを勉強したい』、と思う部分があったし、『教えて欲しい』、という部分を持っていました。
そう考えていた中で、千本監督(上記写真)は世界中のいろんな映像を観ながら教えてくれる。当然、練習中もいろいろな角度からアプローチしてくれます。また、バニーズにはベテランの選手も多いので、そんな人たちに教えてもらいながら、『自分も成長していきたい』、と思った事も、バニーズへの加入を決めた理由のひとつです。」
「本気でサッカーに対して取り組みたい!」
作陽高校サッカー部女子の激励会にて。中央でボールを持っているのが加戸選手。(写真は作陽高校サッカー部女子ブログより引用。)
―――話は変わりますが、昨年の夏頃から母校である岡山県作陽高等学校で寮監を務められていた、とお伺いしました。年末年始の『第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会』で母校が準優勝をしていく過程をずっと間近で見て来たことも、色んな刺激になったのではないですか?
「昨年の9月から作陽高校の寮監としてサッカー部にも関わらせていただきました。池田浩子監督や山口コーチが本気で選手に対して向き合っていて、それに対して選手たちも本気で向き合っていく姿。すごく涙を流す選手もたくさんいるんです。でも、やっぱりそれを見ていると、どちらもが本気だからこそ、そういう感情になると思いました。