王者らしい試合巧者ぶりで完勝
先制点を奪われてから急に前に圧力をかけて来たブリーラムは、後半も開始からプレッシングを強めて来る。それでもサンフレッチェは決して後方からのビルドアップを逃げて蹴り出す事はしなかった。ブリーラムが前線からプレスをかけてくるため、相手の中盤にスペースができる事を分かっていたからだ。
そして55分、その狙い通りの形で仕留めた。GKがキャッチしてからスローで繋ぎ、最終ライン左の佐々木翔からボランチの青山へ。そして、青山からの縦パスをセンターサークル内で野津田がダイレクトに前方にスルーパス。相手の高いラインをブレイクした浅野が一気に加速した状態で前を向き、相手DF陣を置き去りにする。ドリブルでGKと1対1まで持ち込んだ浅野が、再び落ち着いて流し込み、2-0。
2点リードされたブリーラムは俄然前に出てくるが、サンフレッチェはここから昨年のJリーグで披露して来た試合巧者ぶりを発揮。森保監督も殊勲の宮吉に替えて、中盤のオーガ―ナイザー的な仕事もできるMF柴崎晃誠を投入してバランス重視にシフト。リトリートして相手の攻撃を受けながら、裏のスペースを使ってカウンターで追加点を狙う。
81分。自陣のスローインからのボールを裏へ送り込んで野津田が右サイドから抜け出すと、相手DFに当たったラストパスが中央の柴崎へ通る。丁寧なコントロールで落としたボールを、清水がループ気味に狙ったコントロールシュートが決まって3-0。
その後も広いスペースに運んでは巧みにパスを回して柔軟に試合を進めたサンフレッチェ。フジ・ゼロックス・スーパーカップ以来の勝利を、今季初の完封で飾り、ACLは1勝2敗となった。次節はこの日のブリーラムとのアウェイ戦に挑む。