それでも藤春は長丁場のJ2でも全42試合のリーグ戦に出場。2年連続のフル出場という“鉄人”ぶりを発揮し、チームのJ2優勝とJ1昇格に大きく貢献した。
プロ入り後の最初の3年間で3度の監督交代を経験しながらも定位置を確保し、J2降格とJ1昇格も経験した藤春。いつしか彼は、酸いも甘いも全て経験したクラブにとっての生き字引となった。
酸いも甘いも経験した末の日本代表デビュー、リオで”日本の藤春”へ!
その後、2014年にG大阪はJリーグ史上初のJ1昇格初年度の3冠(J1リーグ、Jリーグヤマザキナビスコカップ、天皇杯)を成し遂げる。
ただ、藤春にとっては初めてレギュラーから外れる苦しいシーズンだった。西野監督時代の攻撃サッカーから変化した、長谷川健太現監督の堅守速攻型のスタイルにもフィットしきれていない状況や、キャリア初の負傷による長期離脱も経験した。
それでも、3冠獲得により公式戦の試合数が激増していたため、藤春は天皇杯を始めとした国内カップ戦でアピールして定位置を奪回。
そして2015年の3月、遂に日本代表に初招集。ヴァヒッド・ハリルホジッチ現監督の初陣となったチュニジア戦で代表デビューを飾ったのだった。
国際Aマッチは未だ3試合の出場に止まっている藤春だが、すでにカンボジア戦でアシストも記録。また、リオ五輪代表の手倉森誠監督も含めて、クラブでも代表でも堅守速攻型のチーム作りをする監督の下でプレーする彼は、“代表運”を持っているように感じる。
OA枠として参戦するリオ五輪で活躍し、個人としても大きな飛躍を遂げる大会にしてもらいたいと願う!