①コントラスト(直訳すると対立、ぶつかり合い)
パスを受けた相手やドリブル突破を狙う相手を正面から対峙してボールを奪う事。
②インテルチェッタメント(インターセプトと同義語)
パスコースを読んで相手がパスを受ける前にボールを奪うプレー。こちらはフィジカルコンタクトなしで行けるが得意な選手のプレースタイルです。
③アンティチボ
パスの受け手を背後からマークし、足元への縦パスに対して身体を入れながら足を出すなど前でボールを奪うプレー。鋭い出足で縦パスをかっさらうプレーです。
そして、上記の3つの言葉を実際の選手の特徴に合わせていくとすれば、黄金期のACミランやイタリア代表選手で例えるところでは、”闘犬”ガットゥーゾは「コントラスト」の名手で、相手ドリブルや仕掛けをしてくるボールホルダーに、下半身の強さを活かして正面から止める能力が高いという選手。
逆に、同僚だったピルロは、「インテルチェッタメント」の名手となり、フィジカルが弱いがために、ゲーム展開を読む司令塔ならではのポジショニングの上手さからボールを奪うというフィジカルコンタクトなしでも守備できる選手という事になります。
そして、「アンティチボ」の名手と言えば、DFとしては稀な2006年の世界最優秀選手に選ばれたファビオ・カンナバーロです。彼は今野と同じく身長が低く、175cmでもFWと当たり負けしない身体能力があり、出足の速さを活かして相手FWの前でボールを奪う能力が高かった選手で、その能力はドイツW杯優勝に繋がり、2006年の世界最優秀選手に選ばれました。イタリアではとりわけそのプレースタイルが浸透しており、イタリア人のアルベルト・ザッケローニ前日本代表監督も今野のこの稀有な能力に惚れて主力に抜擢されたのだと思います。
カンナバーロにあって今野に無いもの~DFとしての花形”ボール奪取”だけでは・・・・
そして、僕は今野をカンナバーロと比較してもいいぐらいの高い能力の持ち主だと思っています。
しかし、彼がなぜ ”日本のカンナバーロ”となれないのか?
まず決定的に違うのはカンナバーロは代表でも外国人のいるユヴェントスやパルマでもキャプテンマークを巻くほどのリーダーシップを取れる選手でした。
DFラインの統率が出来る事や、MF陣との連携も円滑にこなしつつ自分の能力を安定して出せる環境を作れる事です。
対しての今野は、外国人のいない日本代表やガンバ大阪のDFやMF陣との連携が悪い、もっと言えば身長が足りないがゆえ、自分のストロングポイントを活かす環境を作る必要があるのに全く出来ていないという事です。もちろん元々はMFの選手だったからでもありますが、それは代表のCBの軸となっている選手の言い訳にしてはいけない部類の要素だと思います。
また、ボール奪取に関してはワールドクラスでも、ポジショニングの悪さは本人も認めるほど悪い事が深刻です。