守備的発展の象徴=イタリアのゾーンプレス
そんなトータル・フットボールを幼少期に見てから選手になったオランダの“新世代”が、1988年の欧州選手権(現・EURO)で初優勝を成し遂げる。当然ながらクライフは引退していたが、監督にはミケルスが復帰していた。
トータル・フットボールで鳴らしたミケルスも、オランダの名門・アヤックスやオランダ代表を経て、スペインのバルセロナやドイツのケルンで指揮を執り、尖り過ぎていた戦術に他国のエッセンスが入って、より大陸的になって来た。
そして、1988年当時のオランダ代表にはルート・フリットやフランク・ライカールト、マルコ・ファン・バステンといった大型で将来有望な若手が育っていた。
選手個々で見ても他の強豪国と遜色ない選手が揃った上で、ミケルスのトータル・フットボールが柔軟性を持って融合した化学反応だった。